「みなさま〜、ごらんください。 ここが くねくねやまの てっぺんですよ。」 歌うように自慢の声を披露するのは、おたまがいけのベテランバスガイドさん。 若葉色の制服に白い帽子も凛々しく、うっとり聞き惚れる美声を武器に、 カエルたちの羨望の眼差しを独り占めしている人気職業、それが「バスガエル」なんです。 この絵本は、そんな憧れの職業「バスガエル」に久々の求人がでたところから物語が展開していきます。 おたまがいけのカエルたちは、みんな千載一遇のチャンスを逃すまいとやる気満々! もちろん、この絵本の主人公クコも「バスガエル」を夢見ている一人。 表紙のバスから飛び出すように、髪の毛をなびかせ、はためく「おたまがいけバス」の旗を握っている元気いっぱいのカエルの男の子。 好奇心に満ち溢れた愛くるしい瞳と一文字に結ばれた口には負けん気の強さがうかがえます。 一刻も早く試験会場へと焦る気持ちがつのるあまり、つい心にも無いひどい言葉をお母さんに言ってしまうのです。 そのことが気になってしまったクコは・・・。 さて、クコはカエルの星「バスガエル」になれるのでしょうか。
私たちの知らない「おたまがいけ」の世界。 絵本を一度開いたら目が離せなくなるほど惹きつけるのは、圧倒的な画力で描くシゲリカツヒコさんの、 個性的でダイナミックな絵。おたまがいけの住人のカエルたちの豊かな表情には、思わず心が和んでしまいます。 セットされた髪型、カンカン帽子やおたまじゃくし柄のワンピースにつけまつげ。ファッショナブルなその姿にも釘付けです。 そして文章は、『きつねのでんわボックス』の戸田和代さん。クコの繊細な心の動きを丁寧に描き出し、 ユーモラスで優しいカエルの世界がまるで実在するかのように瑞々しく絵本の中に誕生しています。
絵本のあちこちに隠れている、たくさんのカエルたちにも注目!隅から隅までしっかり楽しめる、素敵なカエルの絵本。 このちょっぴり不思議な世界を、じっくり味わってみてくださいね。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
バスのガイド”バスガエル“は自慢ののどを披露できる、カエルたちのあこがれの仕事。 バスガエルになりたいクコは、協力してくれない心配性のお母さんに「だいっきらいだ!」と言って、家を飛び出しますが…クコの成長物語。 カエルたちの個性的な姿やあちこちに隠れているカエル探しも楽しめます。
図書館から借りてきて、5歳と10歳の娘たちと読みました。
みんなの憧れの職業、「バスガエル」に憧れるカエルの男の子、
クコのお話です。
母さんと喧嘩してしまって、モヤモヤするクコの気持ちや、
仲直りした時の晴れ晴れとした気持ちがよ〜く伝わってきて、
読みこむほどに惹き込まれました。
5歳の次女が、何度も何度もリクエストしてきました。
シゲリカツヒコさんの、擬人化されたカエルの絵が印象的でした。
個性的なカエルの絵が楽しいです。
イキイキとした文章に、
子供たちにも、本物のカエルの合唱を聞かせてあげたくなりました(^^)。 (ゆりわんちゃんさん 30代・ママ 女の子10歳、女の子5歳)
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