あなたはどんなおうちにすみたい?
「ぎんた」は、大の怠け者。お掃除なんて大嫌い。 遊んだおもちゃはだしっぱなし。ダルマの置物、天狗のお面、鯉のはりぼてやらなんやら物とチリであふれる部屋は散らかしっぱなし。 食べかけのせんべいやダンゴもそのままで汚いったらありゃしない。 あまりのひどさに目を覆いたくなるけれど、本人は全く気に介していない有様で。 そんなある日、ノラネコの「ちゃまる」がぎんたの家にやってきて、鼻をならすとそのまま立ち去るもんだから、ぎんたも妙に気になってちゃまるの跡をつけてみた。するとどうだい、ちゃまるは猫地蔵の前ですっくと突然立ち上がり「今日は短冊が多いなあ」ってしゃべるんだから、驚いた!
このちゃまる、ノラネコとは仮の姿で、その筋では有名なそれはそれは頼りになる敏腕不動産屋だったのです。 次々とねこじぞうに寄せられた動物や妖怪のお家探しの案件を「それならいいいえありますよ〜。」と見事に円満解決していきます。 それを見ていたぎんたは、「いいこと思いついた」とばかりに早速自分の依頼も貼り付けるのですが・・・。 とんでもないドンデン返しとなんとも気持ちのいいオチが待っているこの物語。 澤野秋文さんが、第34回講談社絵本新人賞佳作を受賞した作品です。 日本の妖怪やおばけが人間の世界にあたりまえのように生活している、古き良き摩訶不思議な昔の日本。 まるでタイムスリップしたみたいに大人も子どももワクワクしてしまうのではないでしょうか。 「そらならいいいえありますよ」 今日のちゃまるはどんな物件探しているのかな。ぎんたのお家はどうなったかな。 と、続きが気になるそんな楽しい絵本です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
家探しねこ「ちゃまる」と、グータラでなまけものの「ぎんた」が織り成す、昔話風味の不思議なお話。第34回講談社絵本新人佳作。
大好きな澤野さんの作品なので、手に取ってみました。
ねこのちゃまるが不動産屋さん・・・という設定がまず笑ってしまいます(笑)
でも物件の紹介が的確で、「なるほど〜」と思えます。
ぎんたの願いも、いつ叶えてくれるのかなぁ・・・と思っていたら・・・
子供ならどきっとしてしまうような展開かもしれませんが、読み終えた後はくすっと笑えますね。
ちょっぴり毒のあるような、でも楽しく読めるお話でした。 (hime59153さん 40代・ママ 男の子8歳)
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