宮沢賢治の物語世界に、現代を代表する個性豊かな画家たちが向き合い、絵本化したミキハウスの『宮沢賢治絵本シリーズ』は、江國香織や工藤直子を見出した論客・今江祥智氏から「出会うべき作品に、出会うべき画家が出会っている。白眉である!」と最高の評価を受けました。当シリーズは、1987年に「注文の多い料理店」絵:スズキコージ氏の刊行からはじまりました。 そして2021年、35タイトル目にして再び、スズキコージ氏に傑作を授けていただきました。 今後も刊行を続け、50タイトルを目指してまいります。 北守将軍ソンバーユーは、いま塞外の砂漠からやっとのことで帰ってきた。 ところが、三十年のひるも夜も、馬から下りるひまがなく、とうとうからだが鞍につき、そのまた鞍が馬について、馬とひとつになってしまった。おまけに、その顔や手に、灰色をしたふしぎなものが、まるでいちめん生えていた。 頼るは、リンパー・リンプー・リンポー先生・・・・・・三人兄弟の医者だけだ!
30年間、凍える砂漠で戦い続けたソンバーユー将軍。
敵が倒れて、ようやく帰還しましたが、将軍も馬から下りられず、身体中灰色のモヤモヤした毛(植物?)に覆われ、頭の調子も思わしくない。
将軍は、国の南側で開業する三兄弟の名医をたずね治療を依頼して…。
このお話あっての、この絵。この絵あっての、この物語…というぐらい、絵と物語がぴったりです。どちらかというと長めのお話ですが、勢いがありグングンひっぱられるので、あっという間に読み終わってしまいます。
こんな名医にかかってみたいです。
朗々と読みたい、一冊です。 (こはこはくさん 50代・ママ 男の子10歳)
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