ある日、5ひきのうちの1ぴきの子が「パパにいちばんあいされてるのはぼくだよ」と 言い出したことからたいへんなことになって・・・。
ひとりひとりを だれよりもあいしてる・・・。――― 父と子のふかい愛の物語 ――― 「ティラノサウルスシリーズ」第9弾。
むかし むかし おおむかし。 ティラノサウルスが ひろった たまごから、 ごひきの アンキロサウルスの あかちゃんが うまれました。 ちいさな あかちゃんたちを みて、 ティラノサウルスは・・・・・・。
シリーズものの絵本の金字塔とも言って差し支えない「ティラノサウルスシリーズ」の第9弾。
私にとって、このシリーズは号泣できるかどうかが、評価のポイントとなっているくらい、レベルの高い作品群だと思っています。
今回は、5つのアンキロサウルスの卵が割れるシーンから始まります。
案の定、生まれでたアンキロサウルスは、目の前に立っていたティラノサウルスを自分の親だと思い込みます。
いつものとおり、そのアンキロサウルスを食べようとする恐竜が現れます。
その時のアンキロサウルスの行動に、ティラノサウルスは心をうたれて、恐竜をやっつけて、パパとして生きることにするという出だしです。
大きな展開は、題名になっている「いつもあいされているのはぼく」という出来事が起こってから。
その理由も成る程と納得できるもので、良く練られた内容です。
最後は、お決まりのようにティラノサウルスが崖から落ちるのですが、今回は死んでいないようなので、一寸ほっとした感があります。
いつも、ティラノサウルスが死んで、流れ星が流れ、あまりにも悲しい結末なのでたまにはこうしたエンディングも良いのではないかと思いました。
「・・・・・
だ、だれが そのなかで いちばんなんて、
くれべられないんだよ・・・・・
だ、だってな・・・・・おれは・・・・・
おまえたち みんなの パパだからさ・・・・・」
いつもの宮西さんの珠玉の言葉ですが、やっぱり良いです。
是非、パパに読み聞かせして貰って、親子の絆を深めて欲しい必読の一冊としてオススメします。 (ジュンイチさん 40代・パパ 男の子12歳、男の子6歳)
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