ぼくとメイベルとエディが、じゃがいもを盗みにケニーさんの畑にしのびこんだのは、母さんの夜勤の日だった。母さんは、そりゃあ立派な人さ。だけどこの頃じゃ、食べるにはひどくことかいてたんだ。ぼくら子どもの分だってさ……。
食べ物にも困る貧困生活。
父親不在の家族に3姉弟と夜勤で働く母親。
子どもたちのみすぼらしい服装を見ただけで、胸が熱くなります。
母親が出かけた後の「ジャガイモどろぼう」も、収穫してきたものが「いしころ」であることも、絵を見ていると推測できてしまうのですが、それ以上に子どもたちの真剣さが伝わってくるのです。
母親のために良いことをするのだと、姉のメイベルは自分に言い聞かせているのです。
何も知らない末っ子のエディは、やっていることが理解できません。
子どもたちが必死になって持ち帰ったのは石ころだったけれど、とても大切なものを持ち帰ったようです。
父親不在の重さを痛感させられる一冊。
なんだかジーンとしてしまいました。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
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