はずかしがりやのカクレンボ・ジャクソンは目立つのがきらいです。特別仕立ての服を着て、どんな場所にもかくれてしまいます。
恥しがりやのカクレンボ・ジャクソンは目立つのが嫌いです。いつでもどこでも目立たないように、まわりの風景に溶け込めるようなお手製の服を着ていました。ある日、お城のパーティに招待され、どんな服を着ていけばいいのか困ってしまいます。何しろジャクソンは恥しがりやなので、お城でだって目立ちたくないのですから……。
原書で手にしたとき、タイトル『Halibut Jackson』からイメージが湧かなくて、かわいらしいお話とイラストなのだけれど、どうもぴんときませんでした。「Halibut」と聞いて、え? あのよく食べている魚のハリバット? 隠れるイメージならわたしの場合、カメレオンですが、これだとインパクトが強すぎることは確か。やさしいジャクソンの性格が出せません。……以来、ハリバット(=カレイ)から受けるイメージのせいで、わたしの中では何だか不思議な絵本ということになっていたのです。でも、邦訳タイトルを見て感動でした。これなら英語圏の子どもたちが楽しんだように、わたしもカクレンボ・ジャクソンの魅力が心の底から味わえます。
伝えられるメッセージもしんみり心に響き、すてきです。はずかしがりやさん、はにかみやさん、あるいは見過ごしてしまいそうなことをしっかり感受できる人に贈りたい絵本ですね。
繊細で洒落たレトロ調のイラストが中間色に包まれ優しげです。一風変わったペン画ではありますが。もちろんジャクソン探しを楽しみましょう。
娘とわたしは布と宝石に囲まれたジャクソンの仕立て部屋を見て「いいなあ〜」」とため息をつきました。布やリボン、レース、ボタンに目がないのです。 (ムースさん 40代・ママ 男の子12歳、女の子6歳)
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