編み笠を作って暮らしているじいさんは、正月の餅を買うために、笠を五つ持って町に売りに出かけましたが、さっぱり売れません。そのうちに日が暮れて雪も降ってきたので、しかたなく戻ってくる途中、野原に立っているお地蔵さまに雪が積もっているのを見て、持っていた笠を全部かぶせてあげました。翌朝、どこからか橇引きの声が……。赤羽末吉の最初の絵本。
かさじぞう かさこじぞう
いろいろなタイトルで出ている有名なお話しです。
たくさんある絵本の中から 私が保育でこの本を読み続けている理由は
何より この昔話の要である「雪」が
とても素晴らしいからです。
画家の赤羽末吉さんが 雪の中に何度も取材に行かれ
何千枚もの写真を撮られ 長い時間をかけてかかれたこの本は
お地蔵さまを 包むように降る雪の暖かさまで
本を持つ手に伝わるような気がするほどの できばえです。
決して派手ではありませんが
こどもだから手加減せず 老画家が持てる画力全てを注いで描いた
この絵で ぜひ この優しいお話しを読み聞かせてあげたい
そう思っています。
園で読み聞かせていくと みんな ほっこりと しんみりと
静かな表情で聞いてくれます。
きっとこどもたちの一番優しい部分が 表に出てくるんだと思います。
そんな力のある一冊です。 (ひだまりピッピさん 40代・せんせい 男の子3歳)
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