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日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?

日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?(童心社)

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どうぶつのわかっていること・わかっていないこと

どうぶつのわかっていること・わかっていないこと(小学館集英社プロダクション)

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ジュンイチ

パパ・60代・東京都

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ジュンイチさんの声

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なかなかよいと思う さり気無いシーンが心地よい  投稿日:2011/05/08
ぎょうれつぎょうれつ
ぎょうれつぎょうれつ 作・絵: マリサビーナ・ルッソ
訳: 青木 久子

出版社: 徳間書店
この作品は、おそらく実話だと思います。
理由は、実際にこうした光景は、どの家庭でも見られるものであって、それを絵本に正確に描写したものだと思えるからです。

物語は、おかあさんが
「おひるごはんですよ。サム、しらっしゃい」
と主人公のサムを呼ぶシーンから始まります。
すると、サムはつみきを並べ始めます。
サムは食堂まで行列を作っていくのですが、これって、子供なら誰しもする行為ではないでしょうか?
気付くと、子供が何かを並べていることを体感したことがあるはずです。
並べることは、子供にとって必要な学習だと言えるくらいのものだと思います。

何と言っても、その行列を見て、「ほんとすごいわね」とおかあさんが言う姿勢が良いです。
しかも、その後、「でも こんど おかあさんが よんだら すぐ くるのよ」という大事な一言も忘れていないところが凄いです。

さり気無いシーンですが、そのほのぼの感が最高に心地良い作品です。
読み聞かせだけでなく、おかあさんもきっと気にいると思います。
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自信を持っておすすめしたい 地味ながら味わいのある作品  投稿日:2011/05/08
木はいいなあ
木はいいなあ 作: ユードリイ
絵: シーモント
訳: 西園寺 祥子

出版社: 偕成社
1957年のコールデコット賞受賞作品。
マーク・シーモントは、1950年の「はなをくんくん」2002年の「のら犬ウィリ−」でも、コールデコット賞オナー賞を受賞しています。
原題は、A tree is niceで、「木はいいなあ」という邦題は、言いえて妙な訳だと思います。

幼い頃、大きな木があれば良いなあって思っていたものです。
ブランコがあったり、枝に登って休めたりできるような大きな木が憧れでした。
この作品は、そんな憧れの風景を思う存分に描いています。
ジャニス・メイ・ユードリーが、幼い日々に経験した木との素晴らしい生活を描写したんもののようですが、木にはそんな不思議な魅力があると思いますし、そんな体験を子供にして欲しいものです。
ただ、そうした環境はなかなか望めなくなっているというのが実態でしょう。
だからこそ、この絵本がなおさら今の時代に活きてくると思います。

そして何より、一番良いのは、
「木をうえるといいよ」という最後のシーン。
この時代に、既に木を植えることを推奨しているのは驚愕の事実です。
そうした環境の家は、少ないというのが難しいところですが、子供の成長とともに大きくなる木を眺めた時の感慨というのは、なかなか得がたいものだと思います。

本当に地味な作品ですが、木というものを考えさせられる絵本です。
自然との結びつきを考える上でも、オススメしたい古典的名作です。
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なかなかよいと思う ママが共感できる作品  投稿日:2011/05/08
赤ちゃんのようじ ママのようじ
赤ちゃんのようじ ママのようじ 作: マリサビーナ・ルッソ
絵: みらい なな

出版社: 童話屋
2001年のアメリカの作品。
1986年の「ぎょうれつ ぎょうれつ」に
この絵本を
ウイットニー、ハンナ、ベン、そしてもちろん サムへ
と但し書がありましたが、この作品の主人公はハンナ。
おそらく、マリサビーナ・ルッソの実話なのでしょう。

このハンナ、はいはいが得意。
ママが手紙を書く間、体操する間、電話する間の一寸した時間でも、はいはいして何処かに行ってしまいます。
そこでハンナは何かをして遊ぶのですが、ママにも用事があるように、ハンナにとってはそれが用事なのです。

世の中のママにとって、とても懐かしいあるいは、今体感していると思わざるを得ない作品でしょう。
読み聞かせというよりも、ママが、共感できるそんな作品だと思います。
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自信を持っておすすめしたい 骨太の作品  投稿日:2011/05/07
キング牧師の力づよいことば
キング牧師の力づよいことば 作: ドリーン・ラパポート
絵: ブライアン・コリアー
訳: もりうち すみこ

出版社: 国土社
2002年のコールデコット賞オナー賞受賞作品。
絵を描いたブライアン・コリアーは、2006年に「ローザ」でもコールデコット賞オナー賞を受賞しています。
原題は、Martin’s Big Words: the Life of Dr. Martin Luther King Jr.

物語は、キング牧師が小さい頃の出来事から始まります。
「White Only」という標識は、白人専用ということ。
その標識を見て、暗い気持ちになったときに、かあさんの語った言葉が秀逸です。
「あなたは いいこよ。
 だれにも まけないくらい」
また、キング牧師のとうさんは、牧師であったとのこと。
そんな幼少を鑑みると、キング牧師に対する親としての教育が素晴らしかったのだと思わずにいられません。
幼い頃に心に届いた言霊が、後のキング牧師の力強い言葉の源になっている気がしてならないのです。
果たして自分は、そんなことを子供に語っているのか?考えずにはいられませんでした。

それからのキング牧師の半生が、象徴的な事件と、その時発した言葉とで綴られていくのですが、実にその言葉が心に響きます。
言葉の持つ力を、改めて認識することになる、そんな作品です。

正統派の伝記のスタイルなのですが、コラージュで描かれた絵は、とてもお洒落であり、しかも、骨太な印象です。
その一枚一枚に、キング牧師の力強い意志が感じられ、いつまでも魅入ってしまうことでしょう。
人種のるつぼを表現したステンドグラスが、ところどころに配されていて、実に効果的な演出を醸し出しています。

短い作品ですが、キング牧師を知るきっかけ以上になる作品です。
絵本と侮るかなれと声を大にして言いたい、小学校高学年以上に超オススメの作品です。
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ふつうだと思う いろいろな要素が入った絵本  投稿日:2011/04/17
まほうつかいのノナばあさん
まほうつかいのノナばあさん 作・絵: トミー・デ・パオラ
訳: ゆあさ ふみえ

出版社: ほるぷ出版
1976年のコールデコット賞オナー賞受賞作品。

「魔法使いの弟子」「魔法のなべ」「おいしいおかゆ」等の要素が入った作品です。
「魔法使いの弟子」は、ディズニーのファンタジアでつとに知られ、「おいしいおかゆ」はグリム童話で読まれているので、何か追加の要素が欲しかったというのが、最初の読後感でした。

物語は、魔法使いのノナばあさんが、お手伝いを募集し、アンソニイが雇われます。
アンソニイは良く働くのですが、決して触ってはいけないと言われた魔法のかまで、スパゲッティを作ってしまうのです。
スパゲッティがイタリアっぽいのですが、これが結末と一寸肩透かしをくらった感じがありました。

単独の物語としてみれば纏まってはいるのですが、他に類似の作品が多いので、独創的な部分がないと辛いところ。
特に、ミッキーの「魔法使いの弟子」が連想されてしまうので、辛めの評価となりました。
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自信を持っておすすめしたい 差別を考えさせられる絵本  投稿日:2011/04/16
ローザ
ローザ 作: ニッキ・ジョヴァンニ
絵: ブライアン・コリアー
訳: さくま ゆみこ

出版社: 光村教育図書
2006年のコールデコット賞オナー賞受賞作品。
ニッキ・ジョヴァンニ/文、ブライアン・コリアー/絵による作品で、「リンカ−ンとダクラス」でもコンビを組んでいます。

ローザ・パークス(Rosa Parks、1913年2月4日 - 2005年10月24日)はアメリカ合衆国の公民権運動活動家。
1955年12月1日。
ローザは、アラバマ州で公営バスの運転手の命令に背き白人に席を譲るのを拒み、人種分離法違反で逮捕されます。
これを契機にモンゴメリー・バス・ボイコット事件が勃発。
その出来事を描いた実話に基づく絵本です。

ローザは、アラバマ州のモンゴメリーのデパートで、服の仕立てや修理の仕事をしていました。
ある木曜、仕事の帰りローザはバスに乗りこみます。
当時のアメリカ南部州には、ジム・クロウ法(Jim Crow laws)と呼ばれる人種分離法が施行され公共交通機関を除く日常生活のあらゆるところで黒人と白人は隔離されていました。
バス・レストランなど公共の場所で人種隔離が実施され、また黒人の投票権も事実上制限されていたのです。

バス内は白人席と黒人席に分けられ、中間席はどちらが座っても良いことになっていました。
黒人席が一杯だったのでローザが中間席に座っていると白人が乗って来始め、立つ者も出てきたのです。
そのため運転手が、中間席に座っている黒人に立つよう命じます。
坐っていた黒人4名中3名は席を空けたが、ローザは立たちません。
運転手は、ローザのところにやって、
おとなしく立ったほうが身のためだぞ」と言うと
「どうして、わたしたちを差別するんですか?」
と答えます。
運転手の「警察をよぶぞ!」との脅しにも、
ローザは「おすきなように」と穏やかに答えるのです。

極めつけは、やってきた警察官の「おばちゃん、席を立つつもりでいるんだろう?」との尋問への答えです。
ローザの答えは、「ノー」

ローザは逮捕され、その知らせが伝わると、大きなうねりとなります。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師、女性政治会議、全米黒人地位向上協会などが中心となり、モンゴメリーにおける黒人のバス・ボイコット運動が展開します。
当時のバスは、貧しい黒人にとって必須の交通機関。
でも、崇高な思いをもって、毎日歩き続けたのです。
やはり、ローザが「ノー」と言った勇気に、何としても応えて自らの地位、尊厳を確かなものにしたいという思いが、何事にも勝ったということなのでしょう。

バス路線を運営するモンゴメリー市は経済的に大きな打撃を被り、1956年11月13日、最高裁判所は違憲判決を出し公共交通機関における人種差別を禁止することになるのです。

今や、バラク・オバマという黒人の大統領を輩出しているアメリカですが、ここまで辿り付くのに、どれほどの大きな時間を要したのか、知らないとなりません。
私自身、このモンゴメリー・バス・ボイコット事件を知りませんでしたし、アメリカに差別の歴史があったということを知る機会は減っていくだけだと思います。

1955年ですから、私達が生まれる一寸前に、これだけ明らかに黒人に対する人種差別があったという事実。
しかも、そんな時代に、黒人のしかも女性が、きっぱりと「ノー」と言ったというのは、どんなに勇気がいたことだろうと感銘せずにはいられません。
日本は島国であったことから、人種問題もなく人は平等だと当たり前のように思っています。
勿論、貧富の差はあれど、子供でも、平等と考えているはず。
けれども、世界を見渡せば、差別のあった歴史を持つ国は多く、差別がある国はまだ存在しているのも事実です。
子供達には、是非こうした現実を知って欲しいし、この絵本はその教材としてはベストに近いと言えると思います。

見開きにして4ページにわたるボイコットのシーンは、圧巻。
そして、ローザのきりっとした目は、強い意志が感じられるもので、実に物語に相応しい絵だと思いました。

子供だけでなく、大人にも読んで考えて欲しい作品としてオススメします。
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自信を持っておすすめしたい 考えさせられる絵本  投稿日:2011/04/16
よめたよ、リトル先生
よめたよ、リトル先生 作: ダグラス・ウッド
絵: ジム・バーク
訳: 品川 裕香

出版社: 岩崎書店
著書あとがきにこうあります。
「私は子供のころからADHD(注意欠陥多動性障害)でした。
もちろん今もそうです。
ADHDはすぐに気が散り、忘れっぽく、ものごとに集中するのも苦手です。
読むことも学ぶのも苦手なのですが、それはそんなことが背景にあるからだと思います。
なにしろ、じっと座っていることややるべきことをすることさえ、むずかしいのですから」

この作品は、本人の自叙伝です。
ADHDとは、Attention Deficit Hyperactivity Disorderの略称で、自らのその障害を持っていることを告白し、小学生の頃の先生との出会いを記録したものです。
絵本ナビのランキングで、常に上位に位置する「ありがとう、フォルカー先生」は、LD(learning disabilities:学習障害)を取り上げた作品でしたが、背景、ストーリーとも似通った点の多いものでした。

ダグラスが小学校2年のときの、ダグラスとリトル先生のやり取りから物語は始まります。
「ダグラス、もう一回やってみて」
ダグラスは、なかなか本が読めないのです。
放課後、二人だけで、本を読むことに取り組みます。
遅々として進まないのですが、リトル先生は、「ことばをひともじずつ、声にだしてよんで」「ゆっくりやって」とだけ言って、根気強く一緒になって頑張るのです。
その本は、TheLittleIsland。
言わずとしれたゴールデン・マクドナルド(マーガレット・ワイズ・ブラウン)とレナード・ワイスガードの黄金コンビによる1947年のコールデコット賞受賞です。
ダウラスは、毎年家族で夏に訪れた島に、その面影を見出し、本にのめり込んで行くのです。
そして、ある日読み終えることができたとき、リトル先生はダグラスを抱きしめてくれるのです。
「先生、あしたほかの本をよんでもいい?」
「もちろんよ!」
心の琴線に触れる最高の会話です。
ダグラスにとって、その本との邂逅が、彼の人生を決めたと言っても過言ではありません。
それから、物語は、エンディングに一足飛び。
ダグラスが、何年か後に、リトル先生に自身が執筆した本を贈り、白髪になったリトル先生が、その本を抱きしめているシーンで、物語は終わります。

二人のやり取りが克明に描かれているのが、この絵本の魅力です。
ただ、「ありがとう、フォルカー先生」に比べると、起承転結の起伏がそれほど無いため、感動の度合いが落ちるかも知れません。
それでも、小学校高学年くらいになったら、是非読ませたい絵本であることに違いはなく、大人にも読んで欲しいと思います。
また、世の先生方にもオススメしたい絵本です。
本の素晴らしさを再認識させられた逸品です。
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ふつうだと思う 綺麗な絵  投稿日:2011/04/16
かげぼうし 新装版
かげぼうし 新装版 作・絵: 安野 光雅
出版社: 冨山房
1926年島根県津和野町で生まれた安野光雄さんは、「旅の絵本」「もりのえほん」などで知られています。
この作品は、1976年に発刊され一時期絶版状態でしたが、2002年に新装版が発刊されたものです。

作者のことばに
「もし、影の国というものがあったら、どうでしょう。
本当にあったら一度は行ってみたいものだ、と思いながら、この絵本を作りました」とあります。
安野さんの作品には、こんなコメントがあることが多く、これを読むのも一つの楽しみとなっています。

物語は、左ページに「光の国」、右ページに「影の国」を描いていて同時進行していきます。
「光の国」では、マッチ売りの少女が登場します。
面白いのは、「影の国」に一人だけ色が付いた人がいること。
彼は、見張り番で、「光の国」と「影の国」を自由に行き来できる唯一の人間という設定です。

見張り番は、マッチ売りの少女が気になって、「光の国」に行ってマッチを買うのです。
それから、ある事件が起こり、マッチ売りの少女と見張り番は、「影の国」に逃げ込むという物語です。

「光の国」は、いつもながらの安野ワールドが展開、「影の国」は、黒の切り絵で、それぞれを見れば綺麗なもの。
でも、なかなかその設定は、子供では理解するのが難しいのではないでしょうか。
もう少し、「光の国」と「影の国」の接点が丁寧に描写してあると良かったと思います。
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自信を持っておすすめしたい 圧倒的な力の絵  投稿日:2011/04/16
イソップものがたり ライオンとねずみ
イソップものがたり ライオンとねずみ 作・絵: ジェリー・ピンクニー
訳: さくま ゆみこ

出版社: 光村教育図書
2010年度のコールデコット賞受賞作品。
表紙に題はありません。
ライオンの絵とネズミの絵があり、その絵の間に&があるという、実に洒落た表紙となっています。
ジェリー・ピンクニーは、2000年に「The Ugly Duckling (未訳)」でコールデコット賞オナー賞を受賞しています。

言わずと知れたイソップ物語の再話。
誰でも知っている物語なので、どんな物語にしたのだろうと思いきや、何と文字のない絵本に仕上がっていました。
あるのは、擬音語が少しあるだけです。

正に、絵が物語る絵本です。
最初開くと、大草原に沢山の動物達がいて、ライオンはアクビをしています。
このアクビがポイントで、これから昼寝というタイミングなのでしょう。
次のページは、一転して小さな動物の世界。
大きな動物の足跡にネズミがいて、アリがえさを運んでいます。
ネズミがフクロウに追われるシーンがあったりして、弱い存在であることを示しているかのようです。
そのネズミが、寝ているライオンを起こしてしまい、捕まってしまいます。
でも、ライオンは、手のひらを広げネズミを逃がしてやるのです。
その出会いのシーンは、見開きで3枚にも及び、次のシーンは、それぞれの家族と一緒に描かれていて、絶妙としか言いようのない構成です。
ライオンが罠に掛かったシーンで、ネズミが助けに行くのですが、お互いが見つめるシーンが良いです。
ライオンの歪んだ口なんて、確かにこんな風に見えるのではないかと納得できるもの。
そして何と言っても、ライオンが罠から脱出できたときのネズミとの無言の会話が圧巻です。
ネズミがガッツポーズしているみたいに見えるのは、私だけではないはずです。

ライオンとネズミの息づかいさえも、聞こえてきそうな臨場感溢れる絵を満喫して、イソップの教訓を学べる素晴らしい作品です。
絵の力がこんなにも感じられる作品は、久しぶりです。
是非多くの人に感じて欲しい作品で、絶対のオススメです。
コールデコット賞は伊達ではありません。
参考になりました。 1人

なかなかよいと思う 発想が面白い  投稿日:2011/04/16
ぼくはモンスターのとこやさん
ぼくはモンスターのとこやさん 作・絵: マシュー・マケリゴット
訳: 野口絵美

出版社: 徳間書店
2011年の米国の作品。
原題は、Even Monsters Need Haircuts。

「とうさんは とこやさん なんだ。
ぼく、とうさんが しごとするのを みてるのが だいすき。
ぼくも とこやさん だからね」
という書き出しで始まります。
ぼくもね…というところがポイント。
次頁は、
「こんやは まんげつだ。
はやく ねておかなくちゃ」
何故?と思いますよね。
真夜中にお迎えが来るからなのですが、そのお迎えがコウモリに変身したドラキュラ。
向かう先は、とうさんの仕事場すなわち床屋なのです。

要は、満月の真夜中に、ぼくが、モンスターの床屋さんになるという展開なのです。
ぼくは、思い思いの髪形にモンスターの髪を刈っていくのですが、そのシーンは一見の価値あり。
ゴーゴン(Gorgon)の時は目隠しし、フランケンシュタイン(Frankenstein)の時のバリカンの電源は、フランケンの首のコンセントからなんて、芸が細かくて思わず笑ってしました。

絵は実に綺麗な発色で、アメリカンテイスト溢れるもの。
練られたストーリー展開も、楽しめるものです。
主人公のぼくが、とうさんと同じ仕事をするという発想も、子供の共感を呼ぶことでしょう。
ただ、小物の名前をでろでろトニックとかくさくさワックス等に邦訳していますが、もう一寸ひねりが欲しいところ。
邦訳はなかなか、その雰囲気を伝えるのが難しいので、無理に邦訳せず英文のままでも良かった感じがします。

他の作品にも期待したい絵本作家の登場と言えそうです。
参考になりました。 2人

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