『ぼくのおふろ』、『ぼくのトイレ』、『ぼくのふとん』に続く、鈴木のりたけさんの「ぼくの」シリーズ。久々の新作は、学校!? 着目アイテムが進化して、新章突入でしょうか。いつもの主人公も、心なしか立派に成長しているようで、頼もしい容姿です。 さあ、いつものように、上から見下ろすようなアングルの表紙絵からスタート。どんな学校が登場するのでしょうか。 入り口が滝、下駄箱に鳥、で驚いていてはいけません。廊下がグニャグニャ、教室も机も椅子も、授業だって。何と言っても、後半、子どもたちが先生になるあたりから、子どもたちが大活躍! 迷子になった校長先生探しは、探し絵の世界です。もちろん、たっぷり描かれたサブストーリーを楽しみましょう。子どもたちにとって、特別な存在の校長先生だからこその展開にハラハラドキドキ。
いろんな こどもが いるように いろんな がっこう あったら いいな
みなさんも一緒に考えてみませんか?
鈴木のりたけさんの作品は、「ぼくの」シリーズをはじめ、自由で伸びやかな空想の世界が魅力的で、おはなし会でも大盛り上がりです。
(中村康子 子どもの本コーディネーター)
あさおきて、かばんにどうぐをつめこんで、きょうもがっこういってきまーす! でも、ちょっとまって。まいにちまいにちおんなじがっこう。たまにはちがうがっこうにいってみたい。 たとえば、いりぐちがたきになってる「たきがっこう」。どんなにてんきがよくっても、みんなかさをわすれずに。 くつをいれるげたばこに、とりがすんでる「とりがっこう」。うーんきょうはいっぱいだなあ。 ろうかがぜんぶぐにゃぐにゃしてたらおもしろい。きょうはどこをとおろうか? まいごにならないようにきをつけて。 あれあれ? こうちょうせんせいがいない! いつもとちがうがっこうだから、まいごになっちゃったのかもしれないぞ。 よーし、クラスのみんなあつまって! そらとぶいすにのりこんで、こうちょうせんせいさがしにいくよ。
大人気絵本『ぼくのおふろ』『ぼくのトイレ』『ぼくのふとん』に続く、シリーズ第4弾! 緻密なイラストで絵さがしも楽しめます。
9歳の息子と絵本をめくっていたら、まだ幼稚園にも入っていない3歳までもが「ボクはチョコがっこうがいい!!」と首を突っ込んできましたよ。楽しいことを見つけるアンテナ感度の良さ、子供には絶対に叶わないですね。
様変わりした学校でまいごになってしまった校長先生を、終始「めがねの赤ネクタイ」呼ばわり(笑)しながら、心配した子供たちがジェット椅子に乗って救出に行くというストーリーは、なんともユニークで目が離せなかったです。こうやって大人と子供がフラットな関係を築ける学校があったら素晴らしいよなーと羨ましくなりました。学校は子供が主役でなくてはならん!と改めて思ったりしました。
毎度のことですが、のりたけワールドは隅々まで読み落とさないようにしないと、細かいネタの笑い残しがあってもったいないので、板書の細かい文字も息子たちと繰り返し繰り返し読みました。
どのページの子供も生き生きと学び、めいっぱい遊んでいて、息子たちの居場所もこうであってほしいと願わずにはいられない、そんな素敵な絵本でした。
あと余談ですが、のりたけさんのねり消し作りに対する情熱は尋常じゃないなと思いました(笑)。さぞかし腕の良いねり消し職人だったんだろうと想像も膨らみ、同時代に子どもだった私も懐かしい気持ちに浸ることができました。 (カオリンゴカモシレナイさん 40代・ママ 男の子9歳、男の子3歳)
|