自然や動物達への深い愛情を感じる、あたたかなタッチの絵が魅力のどいかやさん。 「かえるのピータン」でも、可愛らしいかえるやおたまじゃくしや、小さなお池の様子などにうっとり。 でも今回のお話、何だか大人になった自分が読むと、 ちょっと立ち止まってしまう「何か」があるんです。
それは、二匹の主人公、「かえるのピータン」と「つばめのパーチク」の それぞれの生き方の違い。 いつも新しいもの、珍しいものを求めて世界中を飛び回っているパーチク。 それに対して、ピータンは愛するものに囲まれて、一つ所に腰を落ち着けて季節の移り変わりなどを楽しむ生活。 かつての自分は、どちらにも憧れた覚えがあります。 でも、生きる喜びや幸せを見つける事が上手・・・という点に於いて、二匹は同じ。 年を重ねていくにつれ、それぞれの喜びも少しずつ知っていき、 この絵本の読み方も変わってくるんだろうなぁ、としみじみ。
そして、それぞれの人生の素晴らしさを称え合うようなこの内容、 読み終わった後も、とても気持ちが良いのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ちいさなお池で楽しく暮らすかえるのピータン。 そこへ旅するわたりどりパーチクがやってきて世界中で見てきたできごとを 話してきかせてくれます。 「きみも たびして いろいろなものを みてきたら どうだい」 「それも いいね。だけどもうすぐ おいけにおたまじゃくしが うまれるんだ」 こんどはピータンが、おいけの美しい四季折々を語り出し・・・ 人それぞれの生き方がすばらしいとやさしく語りかけてくる絵本です。
このお話を読んで、はっとしました。
身近なところにも、素晴らしい世界があり、幸せはあるのだと。
毎日見ている風景だって、変化があって、発見があるんですものね。
ピータン、素敵な生き方ですね。
もちろん、パーチクのように、あちこち飛び回り、見聞を深めることもいいでしょう。
両極のように見える二人ですが、どちらも素敵だと思いました。 (なしなしなしさん 30代・ママ 女の子6歳、女の子2歳)
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