『はなかっぱ』や『へんしんトンネル』で人気のあきやまただしさんによる『はらすきー』は、20年以上前に出版された『あしなが』の姉妹編です。 『あしなが』に登場した、ノラ犬のケンは、今作にも出てきますよ!
ケンがノラ犬仲間と一緒に暮らす町に、まるまると太った「はらすきー」がやってくるところから物語ははじまります。 ケンたちははらすきーを受け入れ、みんなで集めた食べ物がある秘密の場所にも案内します。
はらすきーがみんなとすっかり仲良くなったある日、秘密の場所の食べ物が全部なくなる事件が起きました。 犯人は、はらすきー。 すぐにおなかが空いてしまう、はらすきーは、がまんできずに食べ物を食べてしまったのでした。
泣きながらごめんなさいと必死に謝るはらすきーですが、 他の町でも同じことをしていたと知ったみんなは、許すことができません。 みんなから追い出されたはらすきーは、 ガリガリにやせて、とうとう倒れてしまいます…。
ケンたちは、そんなはらすきーを見て何を思ったのでしょうか? そして、はらすきーはどうなってしまうのでしょうか…?
「罪を憎んで人を憎まず」 この絵本を読むと、そんな言葉が頭に浮かんでくるかもしれません。
悪いこととわかっていても、やめられない、はらすきー。 悪いことを繰り返してしまうはらすきーを、許せないみんな。 みんなの言い分もわかるけれど、はらすきーのことが心配なケン。
それぞれの立場で「正しい」を考えてみたら、どんな気づきがあるでしょうか。 親子で話し合って、色々な意見を交わしあえる。そんな特別な体験のできる絵本です。
(近野明日花 絵本ナビライター)
のらいぬ仲間たちの元へやってきたハスキー犬「はらすきー」。ある日、秘密の場所の食べ物がごっそりなくなってしまって……。 ロングセラー『あしなが』から21年、ともだちって、なんだろう? やさしさって、なんだろう? じぶんって、なんだろう? いろいろな問いを投げかけてくれる絵本。
読み聞かせ3歳から ひとり読み5歳から
はらすきー、ケン、他の野良犬、それぞれの立場があるし、みんな悪くない。・・・いや、悪くないこともないけど、うーーーん。みんな決して悪い子じゃない、むしろいい子だと思うんです。でも、集団で生きるためのルールは守らなきゃいけない。かと言って、はらすきーの体質はどうすることもできないわけで。
タイトルからしてふざけてる感じのギャグ絵本だと思ったのに、凄くいろんなことを考えさせられるお話でした。 (lunaさん 30代・ママ 男の子11歳)
|