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赤ちゃん落語
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投稿日:2024/11/09 |
未就園児さん向けの昔話を探している時に見つけました。
登場人物はおとうふさんとこんにゃくさんの他に、お化粧中のだいこんさんと大掃除中のごぼうさん。
見た目からの連想やだじゃれ等のことば遊びが五七調のリズミカルな文体で書かれています。
オチのトホホなこと!
「勤勉」なことを「まめ」と言うのだなということばの知識も、こうやって楽しく身に付けていけると良いですね。
西巻茅子さんのポップな絵も素敵です。
お気に入りの一冊になりました。
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大人向け
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投稿日:2024/11/09 |
とても売れている絵本だそうです。
書店で平置きにされているのを見たことがあります。
しかし、これは子どもには向かないと思いました。
絵本の読者として一般的にはあまり想定されていない高齢者からの高評価の感想が数多く寄せられているそうですが、その通り、これは人生を長く過ごしてきた、そして時にはその人生に疲れたと感じることもある大人向けの絵本だと思います。
一部の大人には熱狂的に支持される一方、子どもに広く受け入れられるような温かみのある可愛らしい絵であるにも関わらず、上記のように子どもの視点にそぐわないような、そのように子どもという存在が置いてきぼりにされているようなストーリーに私のように嫌悪感を抱く大人も少なくないのではないでしょうか。
この絵本に癒される大人は子どもには勧めずに自分だけで存分に楽しんでもらえたらと思いました。
対象年齢は幼児期からと想定されているようですが、個人的には「大人向け絵本」として捉えてほしいと思います。
その意味で星1つです。
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ファンタジーの王道
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投稿日:2023/07/26 |
最近、とあるファンタジー映画を鑑賞しました。
非常に良くできた作品でしたが、その一方で、「意味不明」「全く面白くない」という酷評も多いものだそうです。
その原因を考えたのですが、「物語を読む力」というものが存在しており、それを持たない人にとっては、ファンタジーの世界を存分に楽しむことができないのではないかと思いました。
そして、その「物語を読む力」というものは大人よりも幼い子どもの方が十分に持っているのではないかと考えます。
この絵本は長い年月、世界中の子どもたちに支持され、大切に引き継がれてきました。
しかし一方で、この絵本への魅力を全く感じない、たとえ我が子がこの絵本を気に入っていても、その良さが分からないという大人も大勢います。
つまり、この絵本を存分に味わって「読める」子どもが多数存在しているにも関わらず、「読めない」大人がいるということです。
この作品は短いストーリーながらも、本格的なファンタジーの王道だと思います。
ファンタジーとしての特徴と骨組みがしっかりとしているため、子どもたちはわくわくとした気持ちで冒険の世界へと飛び立ち、安心感を伴いながら安全に現実世界へと再び戻ってくることができる。そのような稀有な作品のひとつだと思います。
ぜひ子どものうちにこのような作品と触れ合い、いくつかの本を読み進めるうちに、自分にとってのファンタジー、どう生きるかの指針となるような一冊との出会いがあるようにと願ってやみません。
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オチがついてる!
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投稿日:2023/07/10 |
ガアグの研究本で本書の存在を知りました。
『100まんびきのねこ』の作者の最晩年の作品ということで期待大でしたが、素敵な本でした。
「なんにもないない」というネーミングも良いですがおまじないの呪文の和訳も韻を踏んだ原作と同じくリズミカルなことばで表現されていて良かったです。
なんにもないないが「すがたあるもの」に変化していき、最後には十分に満たされた存在になる点は『100まんびきのねこ』のテーマと通じるところがあるような気がしました。
ラストの文章の訳が原作と同じくきちんとオチがついている点がよく工夫されていると思いました。
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祝・完成
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投稿日:2023/07/02 |
図書館で児童書・ドイツ文学の棚を眺めていると、ふと目に飛び込んできたのが本書でした。
タイトルと、エンデの他に併記された著者を見て、あっ、あの作品の続きだ!と気付きました。
エンデの遺稿集に収録された未完成の物語、きちんとまとめられた原稿なだけに未完に終わっているのが残念に思っていました。
果たしてエンデの世界がきちんと引き継がれているだろうかと一抹の不安を感じながら開きましたが、『ジムボタン』シリーズのようなテンポの良さにぐいぐいと引き込まれ、特に後半は一気に読み終えました。
エンデの世界はきちんと生きていました。
続きを書いた著者の真心が伝わってくるような作品でした。
邦訳出版から少し経っていますが、図書館で見かけるまで全く存在を知らなかったのが疑問でした。
ロングセラーのエンデの作品の久々の「新刊」ともなればもっと宣伝されても良い気がするのですが…
児童書の出版は絵本に若干追いやられ、目立たないものなのかなあとちょっと寂しい気分です。
多くの子に勧めたいです。
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「地図」の力
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投稿日:2023/03/25 |
「ブロンズ新社・発想えほん」の最新作ということで期待して手に取りました。
結果、現行の5作品中一番お気に入りの本になりました。
おつかいに出掛けた少年が母親に渡された地図をきっかけに、世の中の仕組みや過去・現在・未来という時間軸、そして自分の気持ちを俯瞰的に捉えることヘと気付いていく。
母親や友達のお母さんよりもぼくは「ちずがうまい」という自負を持つに至る少年の心の動きが細かく描かれた絵や文字で楽しく表されています。
表・裏見返しの絵も本文のおはなしと連続しており、そのような細かい工夫も素敵だなと思いました。
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絵本を作るということ
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投稿日:2023/03/25 |
出版されて間もなく、新刊本として図書館で見つけました。
がっかりしました。
この絵本の目指しているものは何なのでしょうか。
世に多くの科学絵本を送り出した加古里子氏は、ひとつの絵本を作るのに時には10年という歳月をかけていたそうです。その間に科学的知見が変わることもある、そうしたらその都度修正する、そのように丁寧に検証を繰り返しながら子どもたちが読むに堪えうる絵本を作っていたわけです。
この絵本はどうでしょうか。
これは「科学」の絵本ですか。私にはそうは見えません。どちらかというと科学的な正確さを追求し、それを子どもに分かりやすく伝えるというよりも情緒に訴えかけることを意図しているように見えます。
だとしたら、科学的に検証されていないことをあたかも科学的に正しいことのように書いても良いのでしょうか。
これは科学的知見に基づいたものなのか、それとも作者の考える情緒的な内容として取り上げたのか分かるように書くということ、幼い子どもたちへ手渡す際にはその内容が与える社会的影響を十分に考慮し、その意図するところを明確にする必要があると思います。
作中、隙間なくくっついていた動物たちですが、その中でくま君が咳をすると怯えたように離れていきます。
やがて動物たちはマスクを着用し、一定の距離を保つことで安心して再び集いはじめます。
その社会行動の「正しさ」や科学としての「正しさ」、果たしてこの絵本を早急に世に送り出したことは正解だったのか、そのようなことを出版社には十分に考察してほしいと思いました。
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私には夢がある
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投稿日:2022/04/30 |
出掛けるのが億劫。だけど買い物に行かなきゃ。
こんな気分の中、せっかく出掛けたのだからと本屋へふらりと立ち寄り、この本に出会いました。
髪がくちゃくちゃだけど、歌手になりたい子をはじめ、それぞれの暮らしの中でままならなさを感じつつも、何かしらプラスの要素を見出だして生活する人々がそこにはいました。
私だけではなく閉塞感を抱いて今、生活をしている人は日本中にいるでしょう。
だけど待ったなしの現実の中で、月日だけはどんどん進んでいく。それならばせめて物事の明るい面を見つめて過ごしていくしかないのでは。
そのような思いを抱えつつ日々の生活を送る人へそっと寄り添ってくれるような本です。
子どもたちはこの絵本を読んで何を思うのでしょう。
その点も気になるところです。
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しかけもテーマも面白い
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投稿日:2021/04/30 |
しかけ絵本の名手、エリック・カール氏の作品です。
夜が明けて、ごきげんななめのてんとうむしがきげんのよいてんとうむしと出会うところから物語が始まります。
不機嫌剥き出しで攻撃的なごきげんななめのてんとうむしは、その場を立ち去り、むしゃくしゃをぶつける相手を探す旅へ。
そこからは相手の大きさに合わせて、画面と文字のサイズが変化していきます。
そして場面が切り替わる毎に「6じ」「7じ」と太字で書かれた時刻も増えていきます。嬉しいことに、それに合わせて時計の文字盤も描かれています。
そのような大きさ、数字・時計の変化に加えて、繰り返しのやり取りが続く点が魅力です。
それにしてもまあ、このごきげんななめのてんとうむしの虚しい頑張りといったら。
丸々12時間かけて、喧嘩相手を探し、さらにそこから小一時間手応えのない活動を続けたと思ったら…
不機嫌・対立よりも、機嫌良く受容的であることに価値があるというメッセージが、楽しい絵本を通じて伝わってきます。
幅広い年代で楽しめる絵本です。
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いつまでも変わらない大切な自分
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投稿日:2021/03/06 |
面白そうだと思い、何気なく購入しました。
ちょうどその後、今年卒業する6年生へのはなむけの一冊を探している時に、ふとこの本のことを思い出しました。
ずっと昔に建てられた一件の家。偶然、ベルリンの壁が築かれることになる場所のすぐ近くに建てられたことにより、数奇な運命を辿ります。
平和な家族との生活、戦闘機が上空を飛ぶ中での生活、壁の建設と監視下での生活、壁が崩壊し、老朽化の進む家…
そして、奇跡的な巡り合わせにより、この家は修復され復活します。
私はこの絵本はただの「平和絵本」ではないと思いました。
兵士や戦闘機、ベルリンの壁のみに注目して、この本に、即、「平和絵本」のレッテルを貼り付けてしまうと、この絵本の持てる魅力が半減してしまうでしょう。
この絵本で注目すべきものは、どんなに時代や環境が変わっても、ほとんど姿を変えずに静かに佇み続けるこの家の在り方だと思いました。
これから時代の荒波に漕ぎ出す子どもたちに、いつまでも変わらない「私」を大切にしてほしいと思い、その願いを込めて6年生に読むことにしました。
派手な盛り上がりはなく、絵も同様におとなしい雰囲気の絵本ですが、子どもたちの心の片隅に残ってくれるといいなと思いました。
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