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世界の国からいただきます!

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てんちゃん文庫

ママ・50代・佐賀県、女の子22歳 男の子20歳 女の子15歳

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てんちゃん文庫さんの声

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よいと思わない おばあちゃんのための絵本?  投稿日:2020/06/17
サンタパスポート
サンタパスポート 作: のぶみ
出版社: サンマーク出版
一見何だかいい感じの話にまとまっているようですが…色々と突っ込みどころ満載な気がします。

まず、「良いことを100個すればプレゼントをあげる」など、恐ろしい条件付き愛情のように私は感じてしまいます。
サンタクロースは、超人的な存在です。良いことをすればごほうびをあげるなどという了見の狭い存在ではないと思います。全ての子どもたちは、その行いに関わらずひとりひとり価値ある存在だと認められるべきです。サンタクロースという無償の愛の象徴が、世俗的な価値観に貶められている気がして、このサンタパスポートのシステムはどうも苦手です。

それはさておき、初めはプレゼント目当てで良いことをしようとしていた主人公は、周りの人々の喜ぶ姿を見て、良い行いそのものに喜びを見出だしていきます。動機は不純でも、そこから大切な学びを得る。それは素敵な成長だと思います。

ところが、そこに絡んでくるおばあちゃんが曲者ですね。
喜ばないのは百歩譲って良しとしても、手を貸そうとしている幼い孫に向かって「いま あんたのこと ムシしてやってんの。ヘッヘーンだ!!」なんて言う?何か抱え込んでいるものがないか、おばあちゃんの精神状態が心配になるレベルです。主人公が怒るのも無理はありません。
それにしても、このおばあちゃんの精神年齢の低さ、幼稚園児とおぼしき孫と同レベルです。
これが主人公と同じ年頃の子どもでしたらこのようなぶつかり合いも良く、爽やかな読後感になりそうなのですが、絵本でいい大人と幼児とのこのようなやり取りを見せられるのは違和感しかありません。

お母さんの言葉遣いも気になりますね。「それくらい じぶんで よめないの?」「あのこ…ぜんぜん あったまよくない!」こんな言葉を子どもに向かって日常的にカジュアルに使うお母さんが「普通」という感覚だとしたら恐ろしいです。「頭」を「あったま」という口語でわざわざひらがなで表記するのも品が良くないです。

全体的には、ラストで贖罪を求めるおばあちゃんとその願いが叶うシーン、全てはここに行きつくためのストーリーだったのではないかと感じられました。
そうなると、この絵本を求めているのはこのおばあちゃんのような大人でしょうか?
幼児向けの絵本に仕立てる必要性は全くないかと思います。
多くの子どもはシール集めが好きかもしれませんが、付録的に見返しに印刷されたサンタパスポートが子どもの気を引くためのアイテムにしか見えず…そのようなものでごまかさないでほしいです。
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よいと思わない がっかり  投稿日:2020/06/16
ムーフと99ひきのあかちゃん
ムーフと99ひきのあかちゃん 作・絵: のぶみ
出版社: Gakken
他サイトで「名作」との評判を見たので、ためし読みで10歳の娘といっしょに読んでみました。
ところが、のぶみ氏の他の作品と比べると、かなり内容が薄く、がっかりしました。

絵もかわいらしいとの評判でしたが、けばけばしい色使いや、鳥の脚が生えたような肉の絵があるなど、気持ちの悪いものでした。怒ったぶたまんじゅうの顔の描かれ方があまりに気持ち悪く、幼児向けの絵本ではなく、小学生位を対象としているかのようでした。

この本は他の氏の作品と比べ、良くも悪くもあまり心を動かされることがないような気がしたため、「名作」との評判を不思議に思いました。
唯一、ナンバリングされたたくさんの卵が描かれた場面は、「楽しそうだね」と感じられる場面でした。しかし、ただそれだけです。幼児向けの雑誌にあるような、そこの見開きだけで成立する企画ものの方が良いような…一冊の絵本にすることで、その前後に余分なページがくっついているとすら感じました。

この蛇足感は何だろうと思いつつ読んでいたのですが、ラストに近いところの主人公ムーフの「生まれてきてくれてありがとう」というセリフでまさにそれを強く感じました。その言い方があまりに唐突で、私はポカーンとしてしまいました。なんの脈絡もなく発せられたセリフのため、白々しく、言わない方がマシ、としか思えませんでした。

表紙だけ見るとそうでもないですが、絵の不気味さは他の作品に勝っているかもしれません。不快な絵が多いです。
最後のシーンを見た娘が一言「乳房雲みたい…」と、呟きました。空一面に広がる不気味な乳房雲…あれを連想したのかと…。確かにこのページが一番不気味でした。
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なかなかよいと思う 面白いです。  投稿日:2020/06/16
おひめさまようちえん
おひめさまようちえん 作・絵: のぶみ
出版社: えほんの杜
10歳の娘と一緒に読んでみました。

この作者の絵本は、ストーリー構成が稚拙なため分かりづらく(失礼!)、絵も、絵画を学んだ人間から言わせてもらうと「うーん」というレベルのものが多い印象なのですが、この本はストーリー構成が分かりやすく、絵も比較的丁寧に描かれています。
描画の丁寧さは、このシリーズが一番かもしれないと思いました。
アンちゃんが盛大に食べこぼしをしているシーンは、幼稚園児という設定なのに、1歳児位の散らかし方に感じられ、「この絵要らない。」と娘が呟いておりましたが…

最後まで読んで、娘と顔を見合せると、「うん、普通の絵本じゃん!」と娘の口から出てきました。
私がこの方の他の絵本を全く評価していないのを知っているため、「普通の絵本」というのは娘としては最高の誉め言葉です。
正直、のぶみ氏には絵本ではなく、大人向けに特化した作品を期待しているのですが、このような絵本なら歓迎できるなと思いました。
…ただ、何十年も読み継がれるような本質的なものはあまり感じられません。ですので、子どもが楽しむ「おやつ」的な絵本としては、とても良いと思います。

ちなみに、好きなドレスを選ぶシーンでは、娘はローブのような丈の長いものを選んでいました。他にも目につくのは、オリエンタルなデザインのものばかりで、そのような多様性のあるデザインを用意してくださっているところに好感が持てました。
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自信を持っておすすめしたい もっと読みたい!  投稿日:2020/06/04
もっとおおきな たいほうを
もっとおおきな たいほうを 作・絵: 二見 正直
出版社: 福音館書店
最高です。
我が家のメンバー全員、この作品が好きで、どの学年の読みかたりに持って行っても概ね好評です。

風刺の効いたストーリーですが、全く嫌味がなく、楽しく読むことができます。
なんといっても、絵とことばの分かりやすさが良いのかもしれません。
王さまの愚かで強欲な態度と、キツネの強かでユーモアのある態度との対比が、視覚的にも聴覚的にもストレートに飛び込んできて、物語に引き込まれるのです。

ハラハラどきどきしながら読み進めて行き、ラストの平和的な解決にほっと安心して、あ〜面白かった!となります。

あまりに面白いので、作者の二見氏の他の作品も読んでみたいと思うのですが、書店や図書館では全く見かけず…こちらのサイトの一覧によると、かなりの寡作ですね。
ほんの2年ほど前に出た新刊もあるようですので、これからぜひ読んでみたいです。
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自信を持っておすすめしたい あの犬の素敵な物語  投稿日:2020/06/01
NIPPER−His Master’s Voice−(ニッパー ヒズマスターズヴォイス)
NIPPER−His Master’s Voice−(ニッパー ヒズマスターズヴォイス) 作: 石浦 克
出版社: JVCネットワークス
子どもの頃、親戚の家のピアノの上に、この犬の陶製の大小様々なフィギュアが乗っていました。首を傾げた白い犬をかわいいなと思い、気に入っていました。
少し大きくなり、この犬は蓄音機の音を聞くために耳を澄ましているのだと分かるイラストと、それが音楽系の会社のロゴマークとなっていることに気付きました。
それからまたしばらく経ち、大人になってから、この犬は「His Master’s Voice」という絵を元に作られたキャラクターで、彼が聞いているのは亡くなった飼い主の声だということを知りました。

今回、その犬の物語が絵本になったということで、とても楽しみにして読みました。
落ち着いた色合いの表紙を開くと、淡いトーンの優しい画面でした。
ご主人が亡くなり、別々に暮らさざるを得なかった家族。穏やかなニッパーの日常が、こんな風に悲しい終わりを告げたのだと初めて知りました。

引き取られた先でニッパーの生活が上向きになるきっかけがあって本当に良かったですね。
バラバラになった家族とも再会できて安心しました。

親戚の家のピアノの上に並んでいたあの白い犬の物語を、このような優しい色合いと語り口の絵本で読むことができて大満足です。
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あまりおすすめしない 対象年齢、気になりませんか?  投稿日:2020/05/29
ちいさくなったパパ
ちいさくなったパパ 作: ウルフ・スタルク
絵: はた こうしろう
訳: 菱木 晃子

出版社: 小峰書店
面白い本です。特に大人には。
一言で言うと、大人である主人公が、ある時、突然子どもになってしまい、自分の息子と童心に還って遊ぶという内容です。
細やかな心理描写と、それにぴったりの絵で、味わい深い絵本に仕上がっていると思います。

この絵本、絵本にしては珍しく、対象年齢「中学生以上」の絵本なのです。
どうりで大人にとって面白い絵本であるはずです。

私が気になるのは、この絵本を子どもに積極的に勧めて良いものかという点です。
確かに、部分的・表面的には、小学生位の子どもにとっても面白いと感じるシーンが多くあるでしょう。
基本的に、書物には年齢制限がなく、その世代毎に違った読み方があり、それで良いと思っています。
私自身も子どもの頃からつい最近まで、出版社の提示する対象年齢について気にしたことなとありませんでした。
ところが、この絵本の対象年齢が「中学生以上」となっているのには理由があると思います。

ひとつには、内容的に、大人の視点からの心理描写が多く、単純に大人の方がより深く楽しめる点でしょう。
そして、おそらくもうひとつは、皆さんも少し気になっている、ラストの性的なシーンです。
このシーンについて、子どもから質問されても、きちんと説明できる方は、それで良いと思います。
しかし、私はこのシーンを具体的に子どもに説明することができません。
ですので、私個人としては、この絵本は「大人の絵本」です。

良い絵本は世の中に、一生かかっても読みきれないくらい数多くあります。そのような環境の中、わざわざ大人向けの絵本を意図的に子どもに手渡すこともないと思っています。
こちらのレビューに同じような意見の方がいらっしゃならないことを少し不思議に思っています。
繰り返しますが、この絵本は星5つの良書だと思います。
しかし、「子どもといっしょに楽しむ本を選ぶ」という目的でこちらのサイトを利用されている方が多くいらっしゃることを考え、老婆心ながら書かせていただきました。
大人の皆さんにはとてもおすすめの本ですよ!
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自信を持っておすすめしたい チェコの美しい絵本  投稿日:2020/05/28
おんなのことあめ
おんなのことあめ 文: ミレナ・ルケショバー
絵: ヤン・クドゥラーチェク
訳: 竹田 裕子

出版社: ほるぷ出版
数年前に購入し、その美しさにすっかり魅了された本です。
雨はどちらかというと晴天に比べてマイナスのイメージを持たれがちなものかと思います。大雨は災害を引き起こすことさえあります。
しかし、雨は大切なものです。
その大切な雨が人格を持ち、女の子と触れ合うストーリーは、とても素敵です。

「あめって やさしいのね」「あたし あめ だーいすき」とつぶやく女の子。なんて温かい台詞でしょう。
しっとり静かな美しさを感じます。

ストーリーのみでなく、もちろん、絵がとても美しいです。この東欧のおしゃれな画風が好きな大人は大勢いるのではないでしょうか。
アーティスティック過ぎて、子どもの好みは分かれるかなと思います。表紙の、大きな目をした雨の姿をちょっと怖いなと感じる子がひょっとしたらいるかもしれません。
しかし、心配ご無用です。先に書いたように、とても温かく、優しいストーリーですから。ちょっと怖いなと最初は思った子も、この雨って優しいのだなと感じてくれると思います。

年少さんの読みかたりへも何度か持って行った本です。
梅雨の時期にしっとり静かに楽しむことをおすすめします。
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あまりおすすめしない 詩だけなら星5つ  投稿日:2020/05/28
しんでくれた
しんでくれた 作: 谷川 俊太郎
絵: 塚本 やすし

出版社: 佼成出版社
良い詩だと思います。
「私」の視点からの、食に対する気付き、そこから食物であった動物の命、そして「私」の命へと思いを馳せる。「私」が多くの「私」以外の命に支えられ、見守られ、生きていること。
「私」の立場からすると、「しんでくれた」命たち。屠畜は主観的にそのように表現されて、生きること、生き続けることの重みを感じさせてくれます。

しかし、これ、絵本にする必要があったでしょうか。

絵本にすることにより、2つの問題が生じているような気がします。
ひとつは、この詩に絵が付くことにより、イメージが強烈になりすぎて、「残酷」と感じる可能性があるということです。
赤一色のシーンにショックを受ける方もいるかと思いますが、私は個人的にはそのシーンよりも、主人公の両親が泣いている見開きのシーンがつらく感じました。

もうひとつは、ひとり静かに味わうタイプの内省的な詩であるにも関わらず、絵本にすることにより、複数の人々と分かち合いながら読む機会が増えることです。このようなデリケートな内容の詩をそのように読むのはお互い居心地の悪いものではないでしょうか。時間をかけて自分の中で消化する前に、色々なノイズが入りそうです。

絵を担当した方と編集サイドの方(もちろん詩の担当の谷川氏も)とが入念に打ち合わせしたのだろうという配慮は感じられます。ぎりぎり精一杯子どもたちに配慮された絵画表現だなと。
それが読み取れるので星1つにはしませんでしたが、やっぱりこの詩をわざわざ絵本にする必然性は感じられないのです。
良いものだから、広く子どもたちに伝えたいからという目的を達するためにある素材を絵本にするというのは、ある意味非常に有効でしょう。
しかし、そのような安直な方法を全てにおいて取って良いものか、ふと立ち止まってそう思います。
少なくとも、こちらのレビューを目にしたところ、絵本にすることにより、この詩の評価がむしろ下がっているという残念な結果を招いているような気がします。
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よいと思わない 悪趣味  投稿日:2020/05/27
いぬかって!
いぬかって! 作・絵: のぶみ
出版社: 岩崎書店
以前、書店で見かけ、気になって立ち読みしてしまいました。
そして、あまりにひどい内容に驚きました。

この絵本を読むことを想定されている子どもたちのうち、果たしてどのくらいの子たちが実際に生き物を飼ったことがあるでしょうか。
私は子どもの頃から、本当に色々な動物を飼ってきました。彼らの生死は身近にあり、その時々でありのままの姿を見せてくれました。
この絵本を読む大人の読者には、多かれ少なかれ私と似たような経験があるかもしれません。

ところが、幼い子どもたちはどうでしょうか?
『いぬかって!』というタイトル、素朴で単純化された子どもにとって親しみやすいと思われる絵の表紙からは、この本がそのような人生経験を必要とする絵本には見えません。

犬大好き!動物大好き!という気持ちで、わくわくしながらこの絵本を手に取った子どもたちが、この本を開いた時のショックは計り知れません。
子どもが大人と同じ人格を持った同等の人間であることには異論はありませんが、子どもと大人のものの感じ方、考え方は違います。経験の厚みも違います。
なぜわざわざこのような絵本を幼児に見せる必要があるのか理解できません。対象年齢をみてびっくりです。
私はこの本は子どもに対する暴力とすら感じます。

大人の心に響くのであれば、それはそれで価値ある絵本なのでしょう。
しかし、繰り返しますが、子どもは「小さい大人」ではないのです。
「子ども向け」の表紙ですが、私はこの本は大人の本だと思います。それもかなり好き嫌いが分かれるタイプの。
ちなみに、多くの動物たちの臨終に立ち会ってきた私は、この本で感動することはなく、大変嫌な気分になっただけでした。命を「利用」して、まだ人生経験の浅い子どもたちに罪悪感を押し付けるような描き方に、腹立ちさえ覚えます。
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自信を持っておすすめしたい 末っ子と私  投稿日:2020/05/23
やんちゃっ子の絵本 (2) だれがきめるの?
やんちゃっ子の絵本 (2) だれがきめるの? 作・絵: スティーナ・ヴィルセン
訳: ヘレンハルメ美穂

出版社: クレヨンハウス
末っ子の幼児期に繰り返し読んだ本です。
就寝前のひととき、食事の際のやり取りなどの、お母さんとごく幼い子どもの勢力争い、よく見られる光景ではないでしょうか。
子どもに振り回され、疲れはてていっしょに寝落ちしてしまうところなども、面白く描かれています。
温かく、一所懸命子育てしているママぐまさんとやんちゃなこぐまさんを見て、癒されていました。
遠い遠い道のりを、こぐまさんをおぶって進んでいくママぐまさんの健気な姿にも心温まります。

本当に、子育ての大変な時期の癒しの一冊でした。
さすがに、ウチの子はヨーグルトを親に投げつけるほど過激ではありませんでしたけどね。
シリーズの他の本も面白いです。
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