新刊
ふしぎな はこ

ふしぎな はこ(評論社)

箱のなかにはいっているのは?!

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話題
かむもかまぬも神だのみ めちゃヘンな早口ことば

かむもかまぬも神だのみ めちゃヘンな早口ことば(小学館集英社プロダクション)

これ、言える? 言えたらヒーロー! みんなで遊べる! 一瞬で噛んじゃうヘンテコ早口ことば!

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りんごのき

ママ・50代・その他、男の子23歳

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自己紹介
1997年よりニュージーランドに住んでいます。日本語での読み聞かせ会やプレイグループ活動をやっています。
好きなもの
本(江國香織、柳美里、灰谷健次郎、モーリス・センダック、デイビッド・ウィーズナー、スタシス・エイドリゲビチェウス)、木のおもちゃ、パン作り、ぼーっとする時間、暖炉。
ひとこと
在住10年目を迎えるにあたり、何か新しいことをやりたいと、思案の日々です。

りんごのきさんの声

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自信を持っておすすめしたい 物語が読み手をを包む  投稿日:2007/03/29
きょうはみんなでクマがりだ
きょうはみんなでクマがりだ 再話: マイケル・ローゼン
絵: ヘレン・オクセンバリー
訳: 山口 文生

出版社: 評論社
 この絵本を読むとき、息子はいつも、一緒に声に出してよみながら、そのままの動作を真似て楽しんでいます。「くさはら」をカサカサカサ!、「かわ」をチャプチャプチャプ!「ぬかるみ」をベタベタベタ!と渡って行きながら、自分もすっかり「クマがり」のメンバーになりきって遊んでいます。イギリスの「あそびうた」が元になっているというこの本、さすがに子供のこころを捉える力は相当なもの。オクセンバリーの柔らかな絵は、場面ごとのイメージを的確に伝えながら、それでいて子供たちの表情が極端な強さで描かれていません。登場人物たちも、あくまでその場面を構成する一部、という感じでさりげなく配置されているのです。このため、彼女の絵は読み手の想像力の飛躍を押さえ付けません。
 物語の中に入り込むというよりは、物語がすっぽりと読み手を包むような絵本です。こんな絵本もあるのだな、と素直に感動しました。
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自信を持っておすすめしたい 余白が語る絵本  投稿日:2007/01/07
きみなんかだいきらいさ
きみなんかだいきらいさ 文: ジャニス・メイ・ユードリー
絵: モーリス・センダック
訳: こだま ともこ

出版社: 冨山房
 こういうことってありますよね。近しい間柄だと、特に。「すき」と「きらい」を行ったり来たりしながら、でもやっぱり、一緒にいると楽しいなあ、と思う相手のことを、こどもたちは「ともだち」と表現するのでしょうね。
 こどもたちが必ず体験することをシンプルに表現した、子どものこころに添った一冊だと思います。ウチの息子はいっぺんで大好きになりました。

 ジョンが「ジェームズなんか だいきらいさ」とつぶやくページは、皆おなじ構図です。見開き左端にジェームズの背中。本からはみ出しています。右端にジョンの背中。真ん中に大きな余白。この余白が、ジョンのこころの内を何よりも語っています。本からはみ出しているジェームズは、何を考えているのでしょう。
 そして、『転』に当たるページでは、この余白を埋めるように二人の言葉が配置されています。ことばが届く、というのは、まさにこんなイメージだな、と思いました。とても知的な絵本だと思います。
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自信を持っておすすめしたい 「え〜どうしよう?」っておもうこと  投稿日:2006/12/05
おまたせクッキー
おまたせクッキー 作: パット・ハッチンス
訳: 乾 侑美子

出版社: 偕成社
 理屈抜きに面白い!子供たちが直面するささやかなトラブルのお話ですが、これが素直に笑えます。

 おかあさんが焼いた、おやつのクッキー。食べようとすると、何故か友達がやってくる。友達の数はドンドン増えて、とうとう一人一枚に・・・なのに、またまたベルが「ピンポーン!」さあ、どうしよう・・・?

 ハッチンスの絵本は、モダンでウィットが利いていて、すごく好みです。ここに描かれている「え〜どうしよう?」という感覚って、端から見ている分には、ちょっと楽しいドキドキを味わえちゃったりする。当人はとっても困ってるんだけどね。その辺の、ちょっとビミョーな気持をストーリーの鍵にするあたり、さすがのセンスです。
 カラフルな絵柄は好みが別れるかもしれませんが、子供たちがドンドン増えてきて落ち着かない様子が、良く伝わってきます。荷物がドアの脇に積み重なっていくのもなんだか楽しい。外国のホームコメディを見ているようです。
 数の感覚が解らなくても、『おやつを分ける→分け前が減る』ということが解っているくらいの年齢ならば、充分楽しんでくれます。はじめてお話会で使った時には、食い入るようにみていた4歳の女の子が、最後の「「ピンポーン!」の場面で「え〜こまっちゃうじゃん」とつぶやきました。

 そして何よりすてきなのは、結局みんながハッピーになれる、幸せなどんでん返しが待っていること。「え〜どうしよう?」のドキドキと、解決したときの爽快感を味わえる、最高級のエンターテイメントです。
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自信を持っておすすめしたい 清々しいおはなしです  投稿日:2006/11/15
火よう日のごちそうはひきがえる
火よう日のごちそうはひきがえる 作・絵: ラッセル・E・エリクソン
訳: 佐藤 涼子

出版社: 評論社
 この本、とてもいい。清々しくて、読んだあと何か自分の中身が浄化されたような気分になります。

 ひきがえるのウォートンは、おばさんの家にさとうがしを届けるため、雪の降り積もった真冬に旅に出ます。初めてのスキーに乗って颯爽と旅立つウォートン。ところが、途中の谷でみみずくにつかまり、5日後にひかえた誕生日のための『特別のごちそう』にされてしまいます・・・。

 みみずくとひきがえる、食べると食べられる関係にある2匹。この2匹の間に流れる空気の変化が実に巧みに描かれています。天敵同士の友情、というテーマは、爆発的ベストセラー「あらしのよるに」と同じ。でもわたしは、こちらの方がずっとすきです。2匹の出会いに嘘もごまかしも勘違いもないから。
 明確に『食べる食べられる』の力関係を示した上で、それでもなおかつ、彼らが心をつないでゆく、という直球勝負は、子どもの読み物であるが故に力量を問われます。明るく楽天的で思慮深いウォートンがとても魅力的に描かれ、みみずくの感情の変化に普遍の説得力があり、そして、この話は成立する。

 大人のすれた目で読んでしまうと、結論は途中から見えてきます。けれど、子どもたちはそうではない。大人でありながら、あえてこのテーマをまっすぐに書いてきた作者エリクソンの、作家としての潔さが、清々しい読後感を呼ぶのだと思います。

 モノクロですが挿絵もふんだんにあります。幼年童話に分類されてはいますが、一対一の読み聞かせでなおかつ、聞き手が慣れていれば、5〜6歳から充分楽しめると思います。うちの息子にとっては、今年のナンバーワンかもしれません。それくらい大好きになった本です。
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自信を持っておすすめしたい 知的な絵本  投稿日:2006/10/08
しずくのぼうけん
しずくのぼうけん 作: マリア・テルリコフスカ
絵: ボフダン・ブテンコ
訳: 内田 莉莎子

出版社: 福音館書店
 「どうして、すいどうからみずがでるの?」と息子に聞かれたことをきっかけに購入しました。
 科学は、子供の素朴な「なぜ?」から始まります。その「なぜ?」をこねくり回さず素直に、事実を端的に伝えるのは、親にとっては決して簡単ではありません。どこまで掘り下げて答えるか、その線引きがとても難しいんです。
 かわいい「しずく」ちゃんの冒険を描いたこの本は、水の循環についての基本的なことと、水が水蒸気や氷など、色々な形状に姿を変えることとを、シンプルに伝えてくれます。イラスト風の絵は、どこかくすんだ素朴な質感をもっていて、「しずく」ちゃんの冒険から、科学絵本の堅苦しさを一掃してくれます。手書き風の文字もいい味を出しています。
 この絵本のおかげで、息子は水道の蛇口から出る「みず」は、長い旅をしてくるのだ、と上手く理解したように思います。
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自信を持っておすすめしたい ながいながいたびでした  投稿日:2006/09/15
せんろはつづくよ
せんろはつづくよ 作: マーガレット・ワイズ・ブラウン
絵: ジーン・シャロー
訳: 与田 凖一

出版社: 岩波書店
 この本には、何か、無骨な老人のような気配があります。こつこつと働いて、人生の山や谷やトンネルを幾つもくぐりぬけ、風雪に耐えて生き抜いてきた人のことばのように、シンプルだけれどどっしりと胸に響きます。息子に読みきかせながら、いつも、これは物語というより、詩なのだな、と思います。
 こういう、幾分地味なタイプの本を自ら手に取ることは、ウチの息子の場合、残念ながらあまりありません。けれど、読んでやった時の集中力は、軽い内容のものと比べると段違いです。幼いながらも、何かを感じてくれているのだな、と思わされます。
 繊細な線のストイックな線画が、この本によく合っています。飾りをそぎ落とした、素のままの本という印象です。また「ぱふぱふ」「ちゃぐちゃぐ」という日本語では使わない擬音が、子供にはとても楽しい響きに聞こえるようで、読みきかせる時にはよく一緒に真似してくれます。でも、この擬音がますますこの本の孤高な印象を高めている、というのが、大人の私の感想です。
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自信を持っておすすめしたい 単純であること  投稿日:2006/04/27
ちいさなさかな
ちいさなさかな 作・絵: ディック・ブルーナ
訳: いしい ももこ

出版社: 福音館書店
 もうすぐ5歳になる息子が1歳の頃に買ったファーストブックの一冊です。読みはじめの頃は「さかな」だとか「とり」だとか、お話というよりは絵を楽しむだけでしたが、2歳半頃からか、「おさかな、ないちゃった」とか、「おんなのこたすけたね」と、場面ごとに感情移入するようになりました。やがて、「おなかすくとかなしいよねえ」「とりさんがみんなたべちゃうのねえ」というように、さかなの気持になってお話を味わうようになりました。もうすぐ5歳になりますが、いまでも時々「読んで」と持ってきます。
 絵もおはなしもシンプルで、大人にはいわゆる「あかちゃんえほん」に見えてしまいがちですが、お話会などで読むと、もう自分でこの本を読める年齢の子でも、静かに聞いてくれます。ブルーナの絵本のすごいところは、この、引きつけられる子どもの年齢層の広さだと思っています。絵はシンプルですが洗練されていて、見飽きません。奇をてらわないストーリーは分かりやすく、日常の中の体験に添ったテーマが余計な修飾なしにするすると語られていて、子どもたちが感情移入しやすいのだと思います。石井桃子さんのリズミカルな訳文もすてきです。
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なかなかよいと思う 自己の喪失と再生  投稿日:2006/04/23
ぼくはくまのままでいたかったのに……〈新版〉
ぼくはくまのままでいたかったのに……〈新版〉 作: イエルク・シュタイナー
絵: イエルク・ミュラー
訳: おおしまかおり

出版社: ほるぷ出版
 大切にしている本です。最初に読んだのは中学生のときでしたが、表紙の強烈な印象が心にひっかかり、忘れられませんでした。社会人になってからも、何か心に刺さった刺のようにこの本のことがずっと引っかかっていて、25歳でとうとう手に入れ何度となく再読を繰り返しました。
 これは「自己の喪失と再生」の物語です。
 くまであることを取り上げられたくまが、くまであることを取り戻すのも結局「くま」で有るが故に逃れられなかった自然の摂理であったことが、「自分が自分であること」の真理を問うているような気がするのです。おそらく、人類がこころという概念を持って以来ずっと問われ続けてきたであろう「私は誰?」という問い。「わすれてしまったたいせつなこと」があるのではないか、そしてそれこそが「私」に私が誰なのか教えてくれるのではないか。中学生の私に引っかかってきた刺は、自分を知ろうとする強烈な自我の意識だったのだろうと、今では思っています。
 大人になろうとしている年代の子供たちに読んでもらいたい本です。ただ、今読み返すと、くまを取り巻く人間たちの悪役的ステレオタイプぶりが少々気になりました。何だか、「これから辛い展開になるぞっ」と宣言されているようで、万人を引きつけるというタイプの作品ではないような気がします。
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なかなかよいと思う 子供たちの夢の具現化  投稿日:2006/04/17
子うさぎましろのお話
子うさぎましろのお話 作: 佐々木たづ
絵: 三好碩也

出版社: ポプラ社
 自分が子供の頃に繰り返し読んだ、クリスマスの絵本です。贈り物のなる「ましろ」のもみの木はそのままクリスマスツリーのイメージと重なり、取っても取ってもすぐに新しいプレゼントをつける場面が大好きでした。ヘンゼルとグレーテルの「お菓子の家」などと同じく、子供たちの夢が形になったような本です。
 大人になった今読み返してみると、サンタクロースの服装が見慣れた赤いスーツではなくカトリックの大司教風だったり、『かみさま』という言葉の使い方などには、思ったより宗教色が出ている気もしました。この点で、親の好みは分かれるかもしれません。
 息子には去年のクリスマスにプレゼントしました。はじめのうちはとっつきがよくありませんでしたが、ストーリーが理解出来てからは大好きになりました。古風な正しい言葉遣いで書かれていますが、絵本の割には文章が長く、若干冗漫な印象がする場面もあるので、読み聞かせや読書に慣れた時期のほうが導入がスムーズかな、と個人的には思います。
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自信を持っておすすめしたい 生まれてきてくれてありがとう  投稿日:2006/03/27
ちいさなうさこちゃん
ちいさなうさこちゃん 文・絵: ディック・ブルーナ
訳: いしい ももこ

出版社: 福音館書店
 私は、このお話が大好きです。単純なストーリーは一見、何がおもしろいのやら、と首を傾げてしまいたくなりそうですが、この話は、誕生の喜び、生まれてきてくれてありがとう、というピュアで骨太のメッセージに溢れています。これは、子供たちが一番聴きたくて、一番嬉しいメッセージだと思うのです。自分の力を信じるために、どうしても必要なたいせつなこと。何の飾りもなくシンプルにそのことを伝えてくれるこの絵本は、個人的には幼年期の必読だと思っています。
 ブルーナの絵本の美しさは言わずもがなです。絵も色使いもとても洗練されていて、全てのものがきっちりと必要なだけ、必要な場所に収められているような印象を受けます。物語はシンプルだけど、ちゃんと子供の心に添って展開します。展開は早すぎず遅すぎず、絵とのバランスも絶妙で、子供が楽しむための要素を全て持ち合わせている、完成された絵本です。それゆえか、子供たちは大人が思うよりずっと長い間、この絵本を楽しみます。
 お話会などで読むと、2歳半から8歳、9歳の子供たちまでじっと集中して聴いてくれます。こんな力のある本はなかなかありません。もちろん、もうすぐ5歳になる息子も、この本が大好きです。
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