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あるヘラジカの物語

あるヘラジカの物語

  • 絵本
作: 鈴木 まもる
企画・原案: 星野 道夫
絵: 鈴木 まもる
出版社: あすなろ書房 あすなろ書房の特集ページがあります!

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作品情報

発行日: 2020年09月02日
ISBN: 9784751529676

出版社のおすすめ年齢:中学年〜
256mm×275mm 32ページ

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みどころ

ヘラジカ。
シカ科最大の動物で、体重は800キロ、地面から肩までの高さだけでも2メートルに達する大きさ!
しかも、その巨体の上にさらに重さ20キロにもなる角をのっけているという、まごうことなき巨大生物です。
その巨大な体躯と、いかにも凶器めいた鋭い角、そして強靭な後ろ足によるキックが武器!
捕食者であるクマや、オオカミも返り討ちにするというのにも納得です。

物語は、群れを守るオスのヘラジカと、そこに近づく別のオスとの戦いで、幕を明けます。
巨大な体と角とを激しくぶつけあい、戦う二頭のヘラジカ。

血走り、鋭く光をはなつ、眼の迫力。
大きな体を力強く躍動させる、かたく緊張した筋肉の質感。

手に汗にぎる闘争の結末は、思いもよらぬ形でおとずれます。
渾身の力を込めて角と角とを叩きつけたそのとき。
そう、角と角とがからまって、はずれなくなってしまったのです。

どちらかが逃げ出しさえすれば、相手を死に追いやることまではしないオス同士の戦いですが、こうなってしまってはもう、それもかないません。
2匹は、戦いつづけなくてはならなくなってしまったのです。
やがて、疲弊した2匹をオオカミたちが取り囲んで──

著者は『ピンポン・バス』や『せんろはつづく』、「黒ねこサンゴロウ」シリーズの挿絵で知られ、恐竜や鳥をはじめとする動物や、乗り物など、多岐にわたるテーマで絵本を描きつづける鈴木まもるさん。
著者が本作を作ることになったきっかけは、ある夜、夢に出てきた一枚の写真だったそうです。
それが、本書の裏表紙に記載されています。
写真家の星野道夫さんによる、角のからまったヘラジカの頭蓋骨の写真。
静かながら、たしかな死の気配と、今にも爆発しそうなほど力強い、生のエネルギーとが同居する、不思議な魅力のある一枚です。

戦いの中で角がからまり、身動きがとれなくなって死んだ。
一枚の写真から生まれたこの物語自体は、童話に描かれる戒めのようにも思え、とらえ方によっては、コミカルにさえ感じられそうです。
しかし、実際に本書を手にとってみると、とてもそうは読み解くことができないのです。
決死の覚悟で命をぶつけ合った戦いの結末。
戦いの当事者である二頭のヘラジカも、その戦いによって生きる糧を得た多くの動物たちも、皆が夏を生き、冬を越す命がけの旅の途中にあります。
そのリアルをひしひしと伝える、鈴木まもるさんのイラストの迫力が、このヘラジカの物語を人間的でわかりやすい寓話ではなく、壮大な広がりを持つ生命のドラマの一幕として描き出しています。

「ヘラジカは生きるために戦い、ツノをからませて死んだ。でもそれは、自然のなかでたくさんの命が生きることにつながった」
アラスカの自然と、そこに生きる動物たちの生命力に胸を打たれる、おすすめの一冊です。

(堀井拓馬  小説家)

出版社からの紹介

写真家・星野道夫は、ある日、アラスカの川でふしぎな頭蓋骨を見つけました。2頭の大きなヘラジカの角が、からみあったまま骨になっています。角ははずそうとしてもはずれません。多くの野生動物の姿を写真におさめた星野道夫は、1996年、不幸な事故によって世を去りました。同じ動物好きとして星野道夫と親交のあった鈴木まもるは、ある夜、突然このふしぎな写真を夢に見ます。彼は思い立ち、アラスカに飛びました。そしてできあがったのがこの絵本です。1枚の写真が語る、大自然のドラマと生命のつながりの物語。

ベストレビュー

星野道夫の写真から生まれた絵本  

 「それを見つけたのは十月初旬のことだった。」
 こんな文章で、写真家星野道夫が綴ったのは、『アラスカ風のような物語』所載の「あるムースの死」という短いエッセイだ。
 「それは絡まった角と頭蓋骨だけが残った、二頭のムースの姿だった。(中略)静止した風景が、ひとつの物語を語りかけていた。」

 この文には一枚の写真がついている。いや、写真があって文があるというのが正しいだろう。(写真はこの絵本の裏表紙で見ることができる)
 その写真に誘発されて、絵本が生まれた。
 書いたのは星野さんの友人でもあった鈴木まもるさん。
 「ムース」は「ヘラジカ」の別の呼び方で、同じ動物。
 星野さんが見て、感じた「ひとつの物語」を、鈴木さんもまた星野さんの写真で追体験することになる。
 闘う二頭の巨大な雄のヘラジカ。角がからみあい、やがて疲れた二頭を待っていたように襲うオオカミ。さらにそのオオカミを追い払い、冬季の栄養にありつこうとするヒグマ。
 さらには小さな動物たち、厳冬の地で冬を越そうとする鳥たち。
 鈴木さんは、最後に骨になったヘラジカの角の片隅にアメリカタヒバリの巣とひなを描いて終わる。
 
 「ヘラジカを追いながら、ぼくはまたさまざまな動物たちに出会った。ヘラジカがドラマをもっているように、それぞれの動物たちもまたそれぞれのドラマをもっているに違いない。」
 星野さんはまた別のエッセイにそう書いている。
 一枚の写真、一冊の絵本が読者に語りかける、それはドラマだといえる。
(夏の雨さん 60代・パパ )

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