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かむもかまぬも神だのみ めちゃヘンな早口ことば

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夏の雨

パパ・60代・埼玉県

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夏の雨さんの声

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自信を持っておすすめしたい 未来人の資格が私たちにあるのだろうか  投稿日:2024/02/01
星新一ショートショートセレクション(11) ピーターパンの島
星新一ショートショートセレクション(11) ピーターパンの島 作: 星 新一
絵: 和田 誠

出版社: 理論社
『星新一ショートショートセレクション11』(理論社)。
 表題作である「ピーターパンの島」をはじめとして、18篇の「ショートショート」が収められた、児童書。
 装幀・挿絵(それぞれの作品にひとつ挿絵がついています)は、和田誠さん。

 星新一さんではないが、時々こんなことを考えることがある。
 もし、本当にタイムマシンが実現して、例えば江戸時代にタイムスリップしたとしましょう。江戸時代の人たちは未来から来た人と大歓迎してくれるでしょうが、果たして私は彼らの期待に応えることができるのかと。
 未来には自動車という便利な乗り物があって、と言ったところで自動車が作れるわけでもなく、インターネットで世界中の情報を知ることができると説明してもパソコンもスマホも持っていなければ何もできない。
 傘張りの浪人はまだ傘が張れるが、未来人の当方はそれすら危うい。
 つまり、未来人といっても、単に高度な文明を享受しているに過ぎないのだ。
 この巻には、これとよく似たショートショートが収められている。
 タイトルは「高度な文明」。
 ある時、地球にやってきた宇宙船。そこに乗船していた宇宙人はとても高度な文明を持っているようであったが、しばらくすると乗ってきた宇宙船が壊れてしまう。でも、宇宙人がいれば、すぐに作り直せると思ったが、実は宇宙船自体に文明が設置されていて宇宙人には何ひとつできない。
 この作品の最後に、星さんはこう書く。
 「きみに一本のマッチが作れるか。(中略)文明とは、そういうものなのだろうな」

 表題作の「ピーターパンの島」はダーク・ファンタジーとして面白かった。
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自信を持っておすすめしたい あこがれのいとこ  投稿日:2024/01/28
キングコングのいとこ
キングコングのいとこ 作・絵: マーク・ティーグ
訳: 中川 ひろたか

出版社: Gakken
アメリカの絵本作家マーク・ティーグさんが描いた『キングコングのいとこ』は、
 なんといってもその発想が素晴らしい。
 あのキングコングにいとこがいたなんて。
 しかも、そのいとこ、ジュニアというのだけど、
 キングコングみたいに大きくはないし、ママと猫のバーニスと暮らす、
 いたって普通の猿なんだ。
 あこがれはなんといっても、キングコング。
 だから、キングコングのように大きくなるように、日夜トレーニング。
 でも、ちっとも変わらない。

 キングコングというのは、アメリカが生んだ大スター。
 初めて映画化されたのが1933年。それから、いくつもの作品に出演。
 日本の大スター、ゴジラとも闘ったことがあります。
 そんな有名なキングコングに
 小さないとこを登場させたことがこの絵本の面白さ。
 そして、そんな小さないとこでも、
 ママが「あなたはとても勇敢だった」とほめてくれるようなことが起こるのだから
 この絵本を読んだ子供たちへの励ましにもなるのではないでしょうか。

 まるで白黒映画を観ているような
 そんな素敵な配色も心地いい、絵本でした。
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自信を持っておすすめしたい こころはひとつにできる  投稿日:2024/01/17
1000の風1000のチェロ
1000の風1000のチェロ 作・絵: いせひでこ
出版社: 偕成社
阪神淡路大震災から3年経ったチェロの大コンサートの様子を描いた、
 絵本作家のいせひでこさんの『1000の風 1000のチェロ』の表紙の折り返しに、
 こんな言葉が書かれています。

   こころはひとつにできる/きもちはかさねあえる

阪神淡路大震災が起こったのは、1995年1月17日。
 今年(2024年)、29年めとなるあの日を迎えます。
 そして、この日はあの日被害にあわれた人や町への追悼だけでなく、
 今年はまた新たなな悲しみと私たちは向き合うことになりました。
 2024年元旦に能登半島で起こった大きな地震と津波。
 雪が舞う寒さの厳しいなかを、今も多くの方が避難されています。
 崩れた山、倒れた家、燃え尽きた町、めくれあがった道路、
 そんな悲惨な姿を目にするだけでつらくなります。

 阪神淡路大震災の時もそうでした。
 倒れた高速道路、燃える町、倒壊した多くの建物。
 あれからどれだけの時間が過ぎても、あれらの光景は目に焼き付いています。
 このあとも、私たちは大きな震災を体験してきました。
 東日本大震災、熊本地震、そして今回の能登半島地震。
 そして、そのたびに人々は前を向き続けてきました。
 「あたらしいあした」を信じて、歩き出しました。

 いせさんはこの絵本であの時の大きな悲しみを前面に描くことはしませんでした。
 描いたのは、それでも前を向こうとする人たちであり、
 ともに生きようとする人たちの思いです。
 この絵本は阪神淡路大震災から5年後の2000年に刊行されました。
 そして、私は今回の能登半島地震で被災された人たちに届くように、再読しました。
 気持ちは、きっと、かさねあえます。
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自信を持っておすすめしたい 一年中、ごちそうだらけ  投稿日:2024/01/14
ごちそうごよみ
ごちそうごよみ 作: 谷山彩子
出版社: 小学館
1月15日は小正月。
 年末年始と多忙だった女性たちが一息つけるということで、女正月ともいいます。
 この日食べるのが、小豆粥。
 小豆の赤に魔除けの力があるのだとか。
 日本には、こういった節目の日に、その日にちなんだごちそうを頂く、
 とても大事にしたい習慣があります。
 一年のそんなごちそうを絵本にしたのが、
 イラストレーター谷山彩子さんの『ごちそうごよみ』。

 冒頭に書いたような小豆粥をはじめ、
 正月のおせちからひなまつりのごちそう、春の彼岸、花見弁当、
 ちまき柏餅、初夏の半夏生に頂くタコ料理、月見だんご、冬至のなんきん、
 といったようにたくさんのごちそうが、
 なんともやわらかいタッチの絵で表現されています。
 和のテイスト、フェルトのような絵と呼べばいいでしょうか。

 そうして、順に見ていくと、
 この国の四季がなんとも豊かなものであるかが実感されます。
 例えば、彼岸の時のごちそう、ぼたもちとおはぎの違い。
 春の彼岸はぼたんの花からとって、ぼたもち。
 秋の彼岸は萩の花から、おはぎ。
 といったちょっと友だちに話したくなる豆知識も満載。
 一年中楽しめる、絵本です。
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自信を持っておすすめしたい 川端誠さんの落語絵本はもう名人芸  投稿日:2024/01/07
井戸の茶碗
井戸の茶碗 作: 川端 誠
出版社: ロクリン社
絵本というのは、実に不思議です。
 例えるとしたら、ドラえもんのポケットがいいかもしれません。
 何しろ、どんな世界も絵本になるのですから。
 なので、絵本を小さい子供の読むものとしてしまうのはあまりにももったいない。
 できれば、大人の人にも読んでもらいたい。
 絵本作家の川端誠さんのこの作品は「落語絵本」と銘打っているように、落語の世界を絵本にしたもので、川端さんは「落語絵本」の草分けとしてこれまでにも多くの落語を絵本にしてきました。
 2023年10月に出た『井戸の茶わん』は、従来の「落語絵本」は24ページだったのを今回32ページとページ数を増やしたといいます。
 それによって、長い落語噺を絵本作品として表現できたと、川端さんは語っています。

 「井戸の茶わん」という落語は、貧乏暮らしの浪人が手元の仏像を屑やに預けるところから始まる人情噺。
 この仏像を買い取ったのは細川家のつとめるりっぱな武士。
 埃まみれの仏像を磨いていると、なんと中から50両もの小判が出てきます。
 屑やを探し出し、元の持ち主に返そうとしますが、元の持ち主も頑固でなかなか受け取らない。そんなやりとりが、以降、正直な屑やをはさんで何度も繰り返されます。

 この噺について、春風亭柳朝さんは「こういう噺は欲を出さず、あっさり演ること」と語っているが、川端さんの絵もその「あっさり」感がうまくでていて、笑わせてくれます。
 もう名人芸。
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自信を持っておすすめしたい 星新一さんは預言者?!  投稿日:2024/01/03
星新一ショートショートセレクション(10) 重要な任務
星新一ショートショートセレクション(10) 重要な任務 作: 星 新一
絵: 和田 誠

出版社: 理論社
 『星新一ショートショートセレクション10』(理論社)。
 表題作である「重要な任務」をはじめとして、15篇の「ショートショート」が収められた、児童書。
 装幀・挿絵(それぞれの作品にひとつ挿絵がついています)は、和田誠さん。

 いつもの巻より作品数がいささか少ないのは、ショートショートとはいえ少し長めの作品が入っているからだろう。
 表題作の「重要な任務」が13ページである一方で、「過渡期の混乱」は21ページ、「出口」という作品は22ページある。
 20ページを超えたからといって長くはないはずだが、「ホンを求めて」などはわずか5ページだから、収められた順に読んでいくと、あれ?長いなと感じてしまうのは奇妙だ。
 ただ、やはり長いと(といっても20ページほどだが)読み応えはある。

 今回の巻でなんといっても「過渡期の混乱」がいい。
 これは未来に登場するキャンディー売りロボットをめぐる話。
 このロボットから税金を取るべきかとか傷害事故が起こった時の責任とか、最後にはこのロボットに選挙権を与えるべきかと人間たちは右往左往する。その一方で、ロボットに向けて商売を始める人間も現れる。
 物語のおしまいで、星さんはこう書く。
 「ずるさという、人間だけの持つ天与の能力。これある限り、ロボットなど恐るるにたらずだ。」
 最近何かと話題となる「生成AI」のことを思わず考えてしまう。
 まさかこの作品のように「生成AI」に選挙権を与えるべきかなんてことにはならないだろうが、星新一さんがまるで預言者のように思えてきたりする。
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自信を持っておすすめしたい 戦争をやめることもできるのも人  投稿日:2023/12/25
戦争をやめた人たち 1914年のクリスマス休戦
戦争をやめた人たち 1914年のクリスマス休戦 作・絵: 鈴木 まもる
出版社: あすなろ書房
絵本作家で鳥の巣研究家でもある鈴木まもるさんの、第一次世界大戦中の戦場で本当にあった話を絵本にした、この『戦争をやめた人たち…1914年のクリスマス休戦…』が出版されたのは2022年5月。
 もちろん、これは絵本という出版物として書店に並んだ時で、鈴木さんが実際にこの絵本を描いていたのはそれよりもずっと前。
 あとがきとなる絵を描いている時にロシアによるウクライアへの侵攻が始まったことが、巻末の「制作ノート」に綴られています。
 ウクライナへの侵攻、あるいはイスラエルによるガザ地区での戦闘、世界で消えることのない戦争があって、この絵本は描かれたのではありませんが、鈴木さんの感性が世界の悲しみをいち早く捉えたということかと思います。
 鈴木さんは「制作ノート」にこうも綴っています。
 「戦争することよりも強い、人の優しさと想像力が描きたくて、絵を完成させました。戦争をはじめるのも人ですが、戦争をやめることができるのも人です。」と。

 絵本で描かれている物語はこうです。
 第一次世界大戦さなかのドイツ軍とイギリス軍が向かい合っている最前線の12月24日の夜のこと。
 敵側の陣地から聞こえてクリスマスの歌。「きよしこのよる」。
 それにあわせるように味方の陣地からも歌声が。
 やがて、二つの陣営から兵士たちがともに立ち上がって「メリー・クリスマス」と握手を交わします。
 それからはともに兵士たちが語り合い、最後には手製のボールでサッカーまでしたといいます。
 クリスマスが叶えた夢のような休戦。

 鈴木さんはこの絵本の最後に、こう書きました。
 「この星に、戦争はいりません。」
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自信を持っておすすめしたい スノードームのロマンティックな世界  投稿日:2023/12/24
クリスマスに ゆきが ふりますように
クリスマスに ゆきが ふりますように 作: シビル・ドラクロワ
訳: 石津 ちひろ

出版社: 講談社
 「雨は夜更け過ぎに/雪へと変わるだろう」、あまりにも有名な山下達郎さんの楽曲「クリスマス・イブ」の歌い始めの歌詞です。
 やっぱりクリスマスには雪が似合います。
 そんなことを思うのは、世界中の子供たちもそうで、シビル・ドラクロワさんが描いたフランスの絵本『クリスマスに ゆきがふりますように』に出てくるリュシーと弟のユリスも「ゆきのふらないクリスマスなんて、プレゼントのないクリスマスみたい」とため息をついています。
 そんな二人にアイスランドのおばさんからスノードームのプレゼントが届きます。
 この絵本はこのスノードームがもたらす、とっても素敵な雪のクリスマスのファンタジーです。

 「スノードーム」といえば、思い出すイラストレーターがいます。
 安西水丸さん。
 2014年に亡くなった水丸さんは「スノードーム」の収集家としても知られていて、作品でもたくさんの「スノードーム」を描いています。
 「手で振ると雪が降る。そういうロマンチィックな発想が好き」と語っています。
 この絵本も「ロマンティックな発想」で描かれたのでしょう、雪の中で遊ぶ子供たちの楽しそうなことといったら。
 大人たちが忘れているような世界がそこにあります。

 そして、クリスマスの朝。
 目覚めた子供たちを迎えてくれるのは、雪のクリスマスとパパの大きな声。
 「メリークリスマス!!」
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自信を持っておすすめしたい サンタさんだって就活します  投稿日:2023/12/17
しごとをみつけたサンタさん
しごとをみつけたサンタさん 作: スティーヴン・クレンスキー
絵: S.D. シンドラー
訳: こみや ゆう

出版社: 好学社
この時期、世界で一番忙しいのはあの人ではないでしょうか。
 白いひげをはやして、太ったからだを赤い服でつつんだ、あの人。
 そう、サンタさん。
 でも、サンタさんが今の仕事(!)につくまで
 どうやってきたのか知っていますか。
 まさか「ビズリーチ」ではないと思いますが。
 そんな奇想天外なことを考えた人がいます。
 アメリカの絵本作家スティーヴン・クレンスキーさん。
 彼が作って、絵を描いたのはS.D.シンドラーさん。
 その絵本が『しごとをみつけたサンタさん』です。

 最初のページから、たぶんびっくりします。
 だって、若い頃のサンタさんはスーツにネクタイ締めて、就活中なのですから。
 最初に見つけた仕事が、煙突そうじ。
 次に、郵便配達。
 なんだか、サンタさんの仕事に近づいてきました。
 レストランで働いた時にはつまみ食いで太ってきて、
 動物園の飼育員をした時にトナカイたちと仲良くなりと、
 サンタさんは私たちがよく知っているサンタさんになるべく
 キャリアを積んでいきます。
 そして、ついに・・・!

 なんともユーモラスな話ではありませんか。
 サンタさんなんか信じないという子供でも、
 こんなに就活で頑張るサンタさんなら信じてくれるかも。
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自信を持っておすすめしたい 動いてみることから始めましょう  投稿日:2023/12/10
ちいさな木
ちいさな木 作: 角野 栄子
絵: 佐竹 美保

出版社: 偕成社
今年(2023年)11月に、東京・江戸川区にできた文学館が話題となりました。
 それが「角野英子児童文学館」、愛称は「魔女の文学館」だとか。
 児童文学者である角野英子さんの代表作である『魔女の宅急便』からの愛称です。
 角野さんは2018年に国際アンデルセン賞作家賞を受賞するなど
 今や日本の児童文学を牽引する作家であることは間違いなく、
 今回の文学館がこれからも長く子供たちの夢を育てるものであって欲しいと思います、
 そんな角野さんが『魔女の宅急便』シリーズの挿絵も描いた佐竹美保さんと組んで
 書かれた絵本が、この『ちいさな木』です。

 絵本ですが、絵本というよりも童話という方がより近い感じがします。
 自由にあこがれ家を飛び出してきた一匹の犬ゴッチ。
 旅の途中の町はずれで一本のちいさな木と出会います。
 「自分の好きなところに行く」というゴッチに、
 ちいさな木のキッコは自分は木だから動けないと嘆きます。
 ゴッチはやってみないとわからない、と励まします。
 と、ちいさな木は根を抜き取って歩けるではありませんか。
 こうして、ふたりの自由を求める旅は始まります。
 さらに、岩だとか沼だとか、誰もが動けないと思っているものたちも
 自由を求めて動き出します。

 自分にはできないとあきらめてしまわずに、まずは動いてみること。
 そうすれば、自分の好きなところにたどり着ける。
 もしかしたら、角野さんにとっての「児童文学館」もそんな施設だったのかもしれません。
 子供たちに励ましをくれる一冊です。
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