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ヒラP21

その他の方・70代以上・千葉県

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自己紹介
子どもの通う小学校の読み聞かせをスタートに、絵本の世界に飛び込んだ私ですが、いつの間にか子どもは親離れ。
私だけが絵本の世界に残ってしまいました。
小学校、中学校での読み聞かせをベースに、障害者関連施設、高齢者福祉施設と新境地を開拓中です。

読み聞かせおすすめコーナー

公開

ヒラP21さんの声

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なかなかよいと思う かわいいへび  投稿日:2009/08/14
へびのクリクター
へびのクリクター 作・絵: トミー・ウンゲラー
訳: 中野 完二

出版社: 文化出版局
ブラジルで爬虫類の研究をしている息子からの贈り物がへび。
でも婦人はすっかりへびと友達になってしまいました。
こんな本を読むとへびも可愛く見えてくるから不思議です。
ウンゲラーの絵本を見ると、どうしても深いものを詮索してしまうのですが、この絵本はストレートに微笑ましく思える本でした。
挿絵のように抑えた絵。
毒気のない本もあるんだと少々意外に感じましたが、初期の作品だと思えば納得。
主人公にへびを選ぶところがウンゲラーらしいのかも知れません。
ウンゲラーにしてはまっとうな絵本でした。
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自信を持っておすすめしたい おもいっきり楽しめる絵本  投稿日:2009/08/13
ラシーヌおじさんとふしぎな動物
ラシーヌおじさんとふしぎな動物 作・絵: トミー・ウンゲラー
訳: 田村 隆一 麻生 九美

出版社: 評論社
ウンゲラーのとても楽しめる絵本です。

税金集めが仕事だったラシーヌおじさん。定年を迎えて楽しみは自慢のナシを育てること。そこに現れたナシどろぼうがふしぎな動物…。

なんとなく気になって、話のてんまつを知ってしまうと「なんだ〜!」っていう絵本ですが、思いっきり楽しめる絵本です。
ふしぎな動物の正体がわかった時のドタバタ。
コントギャグのずっこけみたいな絵が楽しい。
それ以上にウンゲラーが楽しんでいるのが隅々に見られるのです。
ストーリーが終わってからもう一度絵本を見直してみてください。
それぞれの絵に、ウンゲラーのおふざけが必ず隠れています。

絵本がこんなに楽しかったの?
ストーリーだけではこの絵本の楽しさは見つけられないかも。

ウンゲラーは素晴らしい。
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自信を持っておすすめしたい メロップス一家の愛情  投稿日:2009/08/13
メロップスのわくわく大冒険 (2)
メロップスのわくわく大冒険 (2) 作・絵: トミー・ウンゲラー
訳: 麻生九美

出版社: 評論社
1巻で見た大人のこだわり。
2巻では、さらに膨らみを見せてくれました。

第1話では、メロップス一家は家族で飛行機を作ります。
メロップスさんが子供たちに飛行機の作り方を教え、みんなで飛行機を作る。
みんなで力を合わせて完成させるのですが、その後に大冒険が。

第2話で、メロップスさんは、子どもたちにクリスマスツリーについて説明します。
子どもたちはそれぞれにクリスマスツリーを作り、家に置けないとなると必要としている人たちを探しまわります。
困っている人たちにクリスマスをプレゼントして帰ると、メロップス家でも素晴らしいクリスマスが。
冒険にはなりませんが、愛情たっぷり。

メロップス一家のような家族にあこがれるな。
第2巻では、父親の役割を学びました。表にはでないけど奥さんのやさしさもミゴト。
夫婦がひとつになっているから家族がまとまるんだと思います。

ウンゲラーさん、ありがとう。
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自信を持っておすすめしたい これって本当にハッピーエンド?  投稿日:2009/08/12
ゼラルダと人喰い鬼
ゼラルダと人喰い鬼 作・絵: トミー・ウンゲラー
訳: 田村 隆一 麻生 九美

出版社: 評論社
ウンゲラーのとてもスパイシーな絵本です。

子どもたちを食べてしまうというとても怖い人喰い鬼。
何も知らぬ無垢なゼラルダが、こともあろうに自分を食べようとして足をすべらせ気絶してしまった鬼を助けてしまいます。
ゼラルダの作る料理に大満足の鬼は、仲間たちとともに子どもたちを食べることを止め、最後にはゼラルダと結婚して幸せに暮らしました?

子どもたちを食べてしまうという、とてもインパクトのある恐怖感から良いひと人になったように思える鬼。
ハッピーエンドだと人は言うけど、ウンゲラーの狙いはその上を行っているかもしれない。

だって、最後の絵、子どもの一人が後にナイフとフォークを隠しているじゃないですか。
そういえばゼラルダが人喰い鬼のために作った料理の豚の丸焼きの絵。
その前ページでは荷車の中から豚が不安げに覗いている。
ページをもう一度進めてみると、ロバが「いいのかなあ?」って顔をしている。
鬼たちは子どもを食べるのを止めたけど、良い鬼になったなんてことどこにも書いてない。

私は最後のページに「続く」と書いてあるように見えてしまいました。
続編があれば、とんでもないどんでん返しがあったりして。
これがウンゲラーの世界です。

奥さんも同じようなことを言っていましたが、純真な子どもにこんな解説は無用です。
ハッピーエンドでホッとしている子どもたちには内緒にしておきましょう。
参考になりました。 5人

自信を持っておすすめしたい 子どもに見せる大人の技  投稿日:2009/08/12
メロップスのわくわく大冒険 (1)
メロップスのわくわく大冒険 (1) 作・絵: トミー・ウンゲラー
訳: 麻生九美

出版社: 評論社
ウンゲラーの第一作として見た絵本。
その後の絵本の破天荒さと比して、極めてシンプルな絵調です。

しかし、文章の面白さの中に、とても素晴らしいものを見つけました。
絵や話のディテールの中に、大人としてのこだわりが強く入っているのです。
子どもたちに冒険話をする際に、「石油を採掘するためにはこんなことが必要で、石油はこんな場所にあるんだよ」とか、「宝物を見つけたのはいいけど、船をこわしたら弁償しなければいけないんだよ」とか、「地底の洞穴にはこんなことがあるんだよ」とか、子どもたちにはどうでも良いこと(ゴメンナサイ)に、とても几帳面にこだわっている。
それに、お父さんは何でも屋のように、いろいろと技を出してくる。
これを見るとお父さんて何でも出来ちゃうんだねと、子どもたちにとって偉大な人間に思えてくる。

これって、子どもの夏休みの宿題で出番を見つけたお父さんが、いつの間にか自分の方が夢中になっているような感覚。
でも、子どもが大きくなって、「お父さんが言っていたこと分かった」と思って父親の評価がワンポイント上がる要素だと思う。
チャランポランかそうでないか、とても大事なポイントだと思います。

この本は、子どもに読み聞かせを無理強いするような本ではないかもしれませんが、この本は親にとって教わるところが大だと思いました。
そして、おの処女作があったからウンゲラーの大世界が構築されたのだと思えば、ウンゲラーの破天荒を予感させる作品でもあります。
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自信を持っておすすめしたい 同じ場所の移り変わりを見つめて  投稿日:2009/08/11
はらっぱ 戦争・大空襲・戦後…いま
はらっぱ 戦争・大空襲・戦後…いま 作: 神戸 光男
絵: 西村 繁男

出版社: 童心社
荒川の工場地帯。
1932年から現代(1997年)まで、同じはらっばを通して町の移り変わりを淡々と描いています。
昭和初期から軍国主義化される日本、大戦と東京大空襲、そして戦後から高度成長へと、絵の下の簡単な解説以上に、詳細に描かれた風景は饒舌です。
右から左に書かれていた文字。町中に映画館があった時代。
自分が経験していない時代から、自分の成長に重ねる時代にかけて、時には自分の思い出を掘り返しながら子どもと一緒に絵を眺めました。
この本は、戦争の悲惨さを伝えるものかも知れませんが、歴史の流れによって町がどのように変わっていくかを子どもに感じさせる良い本だと思います。

そして、歴史を描く本の悲しさ。
「現代」はいつまでも「現代」ではないことを伝えなければいけないと課題を残します。
絵本の「はらっぱ」はもうないかもしれない。
背景の空のどこかに高速道路の高架が見えて、町がすっかり囲まれているかもしれない。
この絵本が出されてから12年。日本はさらに変わりました。


ついでながら、子どもたちには伝えたい一言。
「次にこの風景を変えていくのは、君たちたち自身なんだよ。」
いつも一言多いおやじです。
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なかなかよいと思う 目からウロコ  投稿日:2009/08/08
空のひしゃく 北斗七星
空のひしゃく 北斗七星 作: E.C.クラップ
絵: R.R.クラップ
訳: 藤田 千枝

出版社: 岩波書店
自分が絵本を探す上でとても大切なことが三つあります。

一つは子どもたちとの対話。子どもたちがどう反応してくれるか、子どもたちにどう伝えるか、一番むずかしい事です。
一つは自分自身との対話。子どもにかこつけて結構楽しんでいる自分。自分が子どもだった頃、自分が父親見習だった頃(進行中)を思い出したり、絵本の中にいろいろな物を見つけては自分を再確認したりしてます。
もう一つは自分自身の学び。絵本を通して自分自身が学ぶことはとても多いと思います。

そして今回の「空のひしゃく」は、長年苦手だった天文知識をこっそり学んでしまえる絵本でした。

北斗七星、北極星…、多少は知っているけど、突っ込まれたらたじろいでしまう宇宙の仕組み、地球の自転と公転、北極南極の話から始まって、地球と宇宙の仕組みの入門を見事に絵本として説明してくれています。

自分の得意分野にはまれば強気な私も今回は控えめ。
何度も読み返してから、息子に本を渡してみました。

詳しい人には物足りないかもしれませんが、子どもに知識を伝える技も詰まっている絵本です。
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自信を持っておすすめしたい 母親の死と子供の成長  投稿日:2009/08/08
おかあさんのばか
出版社: 窓社
「たかちゃんとぼく」で気になっていた写真家の細江英公さんの素晴らしい写真集を見つけました。
でも、主役は被写体の古田幸さんと、彼女の詩。
突然に母親をうしなった小学6年生の幸さん。彼女の書きつづった詩。それからの生活に密着して、学校の先生だった父親と中学生の兄と3人の生活、女手として頑張り続ける幸さん、家族風景を重ねていきます。
素朴な詩が、母親を亡くした等身大の12歳を表現していて心打たれます。
細江さんも、幸さんをまるごと包み込むようなカメラアイ。
この本そのものが幸さんであるかのようです。

ただ、不思議なことにこの本、英語版で出版されながら、国内では40年過ぎての出版だとか。

その間に幸さんのお父さんは亡くなったけど、幸さん自身は結婚して二人の子どもの母親となり幸せに暮らしているとのこと。
幸さん自身、小学生当時の自分を振り返って、懐かしさと悲しさと、心を閉ざしていた自分にびっくりしたとのこと。結婚し母となって見直してみると、父への感謝でいっぱいだとあとがきにありました。

考えると、幸さんは自分と同じ年かも知れない。

幸さんの詩の下に、父親茂美さんのコメントがそっと添えられているのも、母を失った家族を思う上でとても貴重なことだと思います。
12歳の子ども、親、そして小学校を卒業して40数年経った親には特にお薦めの本です。
参考になりました。 0人

自信を持っておすすめしたい 楽しいウンゲラーの世界  投稿日:2009/08/08
月おとこ
月おとこ 作・絵: トミー・ウンゲラー
訳: 田村 隆一 麻生 九美

出版社: 評論社
月全体が月おとこ。
三百年も前から宇宙船を研究していた博士。
月にすっぽり入ってしまう月おとこが地球にやってくると人間と同じ大きさに。
?マークの繰り返しだけど、考えているひまもない展開。
理屈も常識も受け付けない破天荒なウンゲラー世界。
とてもインパクトのある漫画絵本。
楽しめる絵本でありながら苦みばしった後味。
ほんわりした月おとこの表情に対して、地球の登場人物はどこかニヒル。
単純に見えるストーリーも含みがいっぱいあるようにも思えました。
参考になりました。 1人

自信を持っておすすめしたい こだわりのある夢  投稿日:2009/08/06
ストーン・エイジ・ボーイ
ストーン・エイジ・ボーイ 作・絵: きたむら さとし
出版社: BL出版
森の中を歩いていたら、穴に落ちて気がつくと石器時代にいた。
現代に戻ってきた自分は、大きくなって考古学者になった。
あれは夢だったのだろうか?

物語の始めと終わりはこんなだけど、とても夢とこだわりのある話だと思いました。

石器時代に行った自分が経験したこと。その時代の生活についてきむらさんは、博物館で調べた上で、その当時の生活の細かいことを説明してくれます。
こんな絵本を読んでから、博物館に行くと楽しくなると思います。

そして、自分の興味が大人になって考古学者という自分の職業になったこと。
将来何になるの? 好きなことは何?
これは大人の感覚かもしれないけど、考古学者になった少年を息子はしっかり感じ取ったようです。
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