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日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?

日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?(童心社)

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渡”邉恵’里’

その他の方・40代・東京都

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自己紹介
アートや本が大好きで、子どもの頃よりも、今、絵本を楽しんでいます。

膠原病患者です。
(混合性結合組織病、関節リウマチ、シェーグレン症候群)
その他、間質性肺炎、甲状腺機能低下症があります。

読書は安全に楽しめる趣味の一つですが、せっかくなので、インプットだけではなく、アウトプットもしてみようと思い、レビューを書いています。
大人のための読書案内の、参考になればうれしいです。
好きなもの
演芸(落語、講談、浪曲、手品、お笑い、大道芸など)
読書(いろいろな本を読みます)
図工(絵画制作、手芸なども)
アートセラピー
東京の街歩き、下町や銭湯巡り、昔風の建物見学
喫茶店・カフェ
料理、自宅で「同居」しているぬか床とのお付き合い
6月は、梅仕事とラッキョウ漬けに精を出す(予定)
ひとこと
大人も楽しめる絵本を探しています。
図書館内のカフェや自宅でゆっくり、絵本を楽しみます。
絵本は誰でも楽しめるアートで、ちょっとした異空間に安全に旅行できます。
年齢に関係なく、いろいろな本を楽しむ事が好きです。

読書は、私のような持病のある人も、入院中も楽しめるステキな娯楽ですね。

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初期〜2020年ごろまで、読書・レビュー記載分

渡”邉恵’里’さんの声

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自信を持っておすすめしたい 世界中を旅する、新しい方法  投稿日:2017/05/22
翻訳できない世界のことば
翻訳できない世界のことば 著: エラ・フランシス・サンダース
訳: 前田 まゆみ

出版社: 創元社
【内容】
様々な国の言葉を、作者自身の豊かな感性によって、翻訳を試みた一冊。
ことばの数、52。(単語、あるいは簡単な文章)
言語の数、34。
それぞれに、作者の解釈、素敵なイラスト、原文と音声(カタカナ表記)がついている。含蓄のある、素敵な、一筋縄ではいかない言葉たちの納られた図鑑。

【感想】
ちょっと変わった世界旅行をしたい人にお勧めしましょう。
作者はいろいろな国に住んだことがあるそうです。実際にその言語が話されているところに居たか、居なかったかはわかりませんが、なんとなく、その言葉を実際に口に出してみたり、使っているところを見たり聞いたりしていそうな、生々しさが感じら得ました。ほどよく抽象的な、素敵なイラストが、いろいろな想像をかきたててくれます。あまり説明的すぎないので、読者が空想する余地もあって楽しめます。
外国の言葉でも、実感できるものは、なんとなく、その言葉をつかめるような気がしてしまいます。全然想像もつかないような言葉もあるけど、それはそれなりに楽しめます。わかっても、わからなくても、なんとなく楽しめてしまう不思議な一冊。

日本語からは4つも言葉が紹介されています。是非、実際に本を眺めて味わってみてください。自分にとって母国語だけれども、意外と、言葉について深く探求したことがないし、なんとなく使ってしまっていて本来の意味があいまいになっている言葉も多いのだなあ、と感じました。

個人的に、一番好きな言葉を探してみるのも楽しい。行ったことのない国や、知らない言語を話す民族に思いを馳せるのも楽しい。この本はいろいろな楽しみかたができます。年齢問わず、誰でも一度は眺めて欲しい一冊です。
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自信を持っておすすめしたい 誇り高きモンゴルの王者 漫画で楽しめる大河ドラマ  投稿日:2017/05/22
王者ジンギスカンの最期
王者ジンギスカンの最期 出版社: 理論社
【あらすじ】
部族ごとに争っていたモンゴル高原の遊牧民族たちは、テムジンを中心として一つの民族にまとまっていった。正式に大王「カン」となったジンギスカンは、近隣諸国を次々と征服し、大モンゴル帝国の基盤を築く。ジンギスカンの壮年期〜死、死後の時代までを描く。漫画:豊川 豊

・世界発掘物語(2) 眠りから覚めた古代(エジプトの古代王朝の話)
 文章:たかし よいち

【感想】
大河ドラマのモンゴル帝国・ダイジェスト版を漫画で表現したら、こんな感じ。
非常によくまとまっていて、わかりやすく、感動的だった。
モンゴル民族の、いろいろな風習もさりげなく漫画に描かれている。
最初に、親友にして最大のライバルだった人との別れが描かれている。戦国時代の無情さが伝わってくる。勇士たちの戦いの様子、戦争の残酷さ、歴史の厳しさなどがよくわかる。本当の英雄について、考えさせられる作品。

ジンギスカンの墓は見つかっていない、という。その墓を探す探検家の話もちょっとだけ載っていて、興味深い。モンゴルの遊牧民族の行動力や生活力のすばらしさに驚いた。

漫画の後は、古代エジプトの話。ピラミッドやミイラなど、イメージしやすい話題。古代の王様が永遠の命や復活を願って丁寧に作らせたミイラも、時代が下ってくると、墓泥棒に荒らされたり、変な薬として使われたりして散々な扱い。そんなミイラにまつわる周辺事情がよくわかった。王様と言えども、死後の死体を後世の人に雑に扱われてしまって、あの世で残念に思っておられるのだろうか。ちょっとお会いしてインタビューしてみたい。
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自信を持っておすすめしたい 居候、おとなしいからって、侮れず。  投稿日:2017/05/22
びっくりどっきり寄生虫
びっくりどっきり寄生虫 作: ニコラ・デイビス
絵: ニール・レイトン
訳: 唐沢則幸

出版社: フレーベル館
【内容】
世界中の寄生虫について、懇切丁寧に紹介してくれます。どんな種類があって、どんな風に暮らしていて、どうやって増えていくのか。どうやって予防するのか、どうやって共生していくのか。
生き物のことを本当に深く知り、楽しく共存していく気持ちを養う本。
変なイラストも、ユーモラスで楽しい。子どもが喜ぶ、ヘンテコな世界。

【感想】
年齢問わず、童心に帰れる一冊。
知らなければよかったのか、知っていた方がよかったのか微妙な気分。しかし、寄生虫は確実にこの世にいるので、どうにかして、この変な隣人たちとうまくやっていこうと、私は思っています。
大人向けの本では、藤田紘一郎先生や、亀谷了先生が有名です。この絵本で興味をもった人は、是非とも、このお二人の著作も読んでみてください。(大人向けの本ですが)

今は衛生状況が良くなったので、回虫やサナダムシ、シラミなどは減ったそうですが、ちょっと油断していると寄生されるのだそうです。子どもの頃、小学校の回虫検査(朝、おしりにフィルムみたいなものを貼ってみる検査。天使の絵がキュート)をしたことを思い出します。シラミにもたかられました。(登校できないので、居なくなるまで自宅待機。暇でした)ノミやダニなどは、普通にいますし、動物を飼っているといろいろ気を付ける事も必要です。
暮らしの中に、意外といるのが寄生虫。そして、絵本には動物の世界にも寄生虫があって、動物たちも寄生虫を予防したり、共存したり、いろいろやっていると教えてくれます。あらゆる生きとし生けるものは、お互いに関係しあっているという事を考えさせられます。できれば、よい関係を作って行きたいものですが…
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自信を持っておすすめしたい 自信をもってうんちしたい。  投稿日:2017/05/22
POO うんち
POO うんち 作: 二コラ・デイビス
絵: ニール・レイトン
訳: 唐沢則幸

出版社: フレーベル館
【内容】
みんな大好き、いろんなうんち。いろんな生き物のうんちの素敵な雄姿を紹介。うんちが役に立つって知っているかい?うんちの再利用、道しるべ、縄張りアピール、俺様自慢、危険の回避、井戸端会議の議事録、伝言板、建築材料、ゆりかご、食料、自然保護、考古学資料…まだまだありそうだ。
そんな素敵なうんちの奥深い世界を、ご紹介するご機嫌な一冊。

【感想】
うんちの有用性をこれでもか!というくらい教えてくれる。
こどもが喜ぶ下ネタシリーズ。うんち、うんちと、連呼する子どもにもいいけど、子ども心を忘れて久しい「元・子ども」にもうれしい。早速、家で、こっそり読んでみてください、大人の皆さま。
変なイラストが、匂ってきそうなうんちを見事に表現しています。お食事中にはお勧めできません。しかし、食事はうんちの準備ともいえます。微妙な問題ですな。

敢ていうなら、日本のうんち利用の神髄、「肥溜め」システムを紹介して欲しかった!世界に誇るべき、下肥利用。江戸時代には、肥溜めを利用して、街の人は清潔に暮らせたし、周辺の農家は良い肥料が利用できた。この素晴らしいリサイクルシステムが、今や忘れられている。実に勿体ない話である。
地球はうんちをリサイクルすることで、命がつながっているのでは?自然が大好きな人は、是非とも、肥溜めシステムを見直してほしいと思います。有機野菜とか、有機肥料とか、関心のある人は、是非!!!!!!!

さておき、こんな愉快な作品は、年齢問わず誰でも楽しんでいただきたいものです。手に入れるのに勇気がいるとは思いますが、そこを乗り越えて、是非とも黄金の世界に浸って欲しいと思います。ご検討、ならびにご健闘を祈ります。
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自信を持っておすすめしたい 図書館の面白さと恐ろしさをあますところなく  投稿日:2017/05/19
ぐるぐるの図書室
ぐるぐるの図書室 著: 工藤 純子 廣嶋 玲子 濱野 京子 菅野雪虫 まはら 三桃
出版社: 講談社
【あらすじ】
5人の小学生の物語。それぞれ、図書室の前にあった奇妙な茜色の張り紙をみて、図書室に行く。司書の先生らしき女の人に、本を探して欲しいと頼まれ、それぞれが不思議な世界に紛れ込んでいく…
第一線で活躍する児童文学作家、5人がおくる短編集。

【感想】
どれも非常に面白く、読んでいてついつい電車を乗り過ごしてしまいました。
現代っ子の、小学生の雰囲気がよく出ていて、それぞれの個性が際立ち、別個の物語を楽しんでいるようでいて、どこかでつながっている。小学校のころ、隣のクラスにいる、名前くらいしかしらない子が、図書室で同じ本を借りていた時の驚きを思い出しました。そうそう、そういう感じ。

どの話も、だれの心にもありそうな闇の部分に紛れ込んでいくような恐ろしさがあり、どんどん変な方向にいってしまいそうになるのだけども、最終的にはこの世に戻ってこられます。それは、読書と同じです。どんなに変な本を読んで、その世界に溺れてしまっても、かならず本を閉じたら現実の世界に戻ってこられる。
読書と図書室と、物語の世界の恐ろしさも面白さもあますところなく知り尽くしている名人たちが、腕を振るってこしたえてくれた素晴らしい作品ばかり。贅沢な一冊です。

キーとなる「図書室のストレートヘアーの女の人」の描きかた、物語の雰囲気、登場人物たちの感情表現など、その作家独自の工夫や個性が光る一方、一冊の本としてきちんとまとまっている世界観、共通認識があり、まさに名人芸。
やはり、時代の先端を走り続けている人たちは素晴らしい。大人が読んでも十分に楽しめる一冊です。年齢問わず、おススメします。
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自信を持っておすすめしたい 花の匂いがしてきそう。  投稿日:2017/05/19
つるばら村シリーズ(5) つるばら村のはちみつ屋さん
つるばら村シリーズ(5) つるばら村のはちみつ屋さん 作: 茂市 久美子
絵: 柿田ゆかり

出版社: 講談社
【あらすじ】
つるばら村で養蜂をしているナオシさんの物語、12話。村で一番高い笛吹山でひとりで蜂を飼っているナオシさんのもとには、いろいろなお客さんが訪れます。時には人間ではない方も交じっていまして…自然一杯の美しい景色と、不思議な世界が入り混じる上質のファンタジー。

【感想】
男っぽい話もあり(天狗と腕相撲するとか、イノシシと綱引きするとか)、淡い恋の予感もあり、奇想天外なファンタジーもあり、盛りだくさんの一冊。養蜂家のことをよく調べてあって、丁寧に物語が作られている。どのお話も読み終わるとこころが温かくなり、不思議な満足感が訪れます。寝る前に1話ずつ読んでもいいかもしれないですね。
後書きも素敵。(この作家さんは、後書きも感動的)
ご縁があって、養蜂家の方から直接いろんなことを教えてもらうことになったいきさつは、奇跡のように感じられます。この人は、上質な物語を書くために、神様が守ってくださっているとしか思えないような素敵な「出会い」をされている気がしてなりません。

蜂が一生かかって集める蜜の量は、ティースプーンに半分ほどという。それを考えると、蜂蜜を、はたして食べていいのか?迷いが生じました。結局、自然からいろいろなものを頂かなければ、人間は生き残れないのだなあ、と思います。
食べるものも、着るものも、そのほかなんでも、自然から頂いた材料で作られているから、それらを大事に扱おうという気になります。
そして、この本は、ほかのシリーズとゆるやかにつながっています。登場人物があっちこっちで関係しているので、村を探検するつもりで、全部の作品を読んでみたいと思います。
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自信を持っておすすめしたい 五七五の ハードル下げた 功労者  投稿日:2017/05/13
はいくしょうてんがい
はいくしょうてんがい 作: 苅田 澄子
絵: たごもり のりこ

出版社: 偕成社
【あらすじ】
ふうちゃんが近所の商店街を通り抜けようとすると、お店の看板から絵が飛び出してきます。スーパーからもキャラクターたちが飛び出してきて、因縁の対決!昔ながらのまんまる商店街 VS 最近できた大型スーパー。 俳句によって雌雄を決する時が来たが…
思わぬ解決策に、心が温まる一冊。読了後は俳句を作ってみたくなります。

【感想】
季語や約束事にこだわらず、のびのびと楽しく俳句を作って欲し、という作者からのメッセージ通り、作品中の俳句は、変な俳句やギャグ、商売繁盛の標語のようなものまである。そのゆるさが、俳句や他の文学作品に親しみを覚える効果があるらしく、自分も五七五で何かを表現してみたくなってしまった。
生活力あふれる「ふうちゃん」はたぶん、小学校高学年くらいの女の子だと思う。「じゃりン子チエ」(昔の漫画)を連想した。

この作品みたいな、人と人との触れ合いがある昔ながらの商店街は、心が癒される。スーパーやコンビニは、どうも殺伐としていてあまり好きになれない。商店街で買い物する時と、やはり感じるものが違う。

私はスーパーで働いた経験があるけど、暴力的な言葉を投げかけられたり、上司が効率最優先でまるで人間を機械のように扱うような嫌な体験をしたりして、不思議といい思い出がない。個人商店も、人間が運営してるから、嫌なこともあるのだろうけども、いつも行く商店街の、いつものおばちゃん、おっちゃん、おねえちゃん、おにいちゃん達が、今日も元気そうにしているとホッとする。何も買わなくても、お店がやっているとわかると、なんとなくありがたい。地元ではない土地で、親戚でもない人たちだけど、なんだかゆるくつながっている。自分の思い込みだけかもしれないけど、商店街ってそういうところがあっていい。(ま、スーパーも便利ですけど)
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自信を持っておすすめしたい コッケイで、ケッコウなお話。  投稿日:2017/05/13
おしゃべりなたまごやき
おしゃべりなたまごやき 作: 寺村 輝夫
絵: 長 新太

出版社: 福音館書店
【あらすじ】
王様が敷地内の鶏小屋で、ぎゅうぎゅう詰めになっている鶏をかわいそうに思い、外に出してあげた。おかげで場内は大騒ぎ。鶏たちは兵隊に脅かされ、卵を産まなくなってしまう。しかし一個だけ卵を手に入れた王様は、コックに頼んで卵焼きを作ってもらうが、この卵焼きが王様の行状を白状してしまい…
 
【感想】
おかしな話!平和で暇になったので、王様も軍隊も余計なことばっかりしている気がする。まあ、よその国に攻め込んだり、人が理不尽に死んでしまったりするよりはよほどいいけど、なんとも間抜けなお話で、変な人しか出てこなくて、面白い。
絵本なのに、社会や政治、国家について風刺しているような感じもある。
まあ、長年戦争がないと、王様もだんだんとぼけた感じになってきて、兵隊や家来なども妙なしきたりをくりかえしているだけであって、なんとも滑稽な感じ。

長新太さんの、とぼけた雰囲気で、かつ品がある絵が、雰囲気を盛り上げる。
豪華な感じなのに、ばかばかしさもあって、絶妙なタッチ。一番好きなのは、表紙の鶏がたくさんいる絵。なにかが起きる感じがただよう。

文章も、音読したら面白い擬音語や表現がある。私は黙読したが、誰かに読んでもらいたい。絵本にしては長い文章がついている作品。でも、面白いので、文章の多さが気にならず、最後まで一気に読み切ってしまう。
オチが、大人の話。これって、どうなの?こどもの教育に良くない感じがするけど、でも、どうせどこかでこういうふうなことを学んでいくのだよね。生きるって、いろんな知恵や、時に誤魔化し、方便ともいうけど、そういうことって必要になってくるよね。上手に世渡りするには、こういうことも必要だよね…という感じがする。
なんともいえない読後感だ。国家や政治家、権力者って、こういう感じなのだろうなあ。またひとつ、大人になってしまった。
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自信を持っておすすめしたい 懐かしい床屋さんの話  投稿日:2017/05/12
つるばら村シリーズ(6) つるばら村の理容師さん
つるばら村シリーズ(6) つるばら村の理容師さん 作: 茂市 久美子
絵: 柿田ゆかり

出版社: 講談社
【あらすじ】
つるばら村の床屋さんでの不思議なお客さんのお話。お店を切り盛りするのは、もうすぐ60歳になる山野このはさん。おとずれるお客さんとのやり取りの中で、このはさんは自然のいろいろな存在達と交流を深めていく。
心温まる短編、7話。

【感想】
お店を訪れる人が、いろんな職業や役割をもっているのが面白い。お客さんとやりとりしているうちにだんだんわかっていく事もあれば、最初から正体がわかっている事もある。お客さんを送り出してから、なんとなくその人のことが気になる。そんな風に少しずつ素敵なご縁をつないでいく、このはさんの気持ちが温かい。

7話がそれぞれ独立しているけども、どこかでゆるくつながっている。読み進めていくと、自分も村人の一員になって、このはさんたちの生活に参加しているような気分になっていく。「つるばら村シリーズ」の他の作品とのつながりもあり、あっちもこっちも読みたくなっていく。
おかげですっかりつるばら村のファンになりました。

どのお話も好きだけれど、この人の作品はあとがきも素敵。
実際に、通っている理容店での経験がもとになって、いろいろなお話が誕生したいきさつを知ると、更に物語が味わい深くなる。そういえば、自分も昔、理容店(床屋と言っていた)に通って、そこはおばさんが一人でやっているお店だった。床屋に行くと、普段とは違う匂いがあり、特別な体験(例えば、剃刀で顔の産毛を沿ってもらうとか)があり、けっこう楽しい。よく覚えているので、お話がよりリアルに感じられました。理容店に行ったことがない人は、ぜひ、一度は行ってみて、雰囲気を味わってほしいと思います。美容室とは違う、なんというか…言葉では説明できないものがあるのです。理容室で、この本を読んでみたいなあ。
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自信を持っておすすめしたい 煩悩、爆発!  投稿日:2017/05/11
ナニカのたね
ナニカのたね 作: 正道 かほる
絵: 堀川 理万子

出版社: 佼成出版社
【あらすじ】
いたずら魔女が落とした、「ピンクと黒の縞々の円いもの」は一体なにか?ウサギが最初に拾って、飴でないことをたしかめる。物知り梟は、「しらない」と言えない。とりあえず「ナニカの種」ということで、撒いてみる。目が出て育ち、実がなり…そしてもめごとが巻き起こる。考えさせられる一冊。

【感想】
絵本は甘くない。子どもが読むファンタジーだと思って気軽に手を出すと、とんでもない味わいの作品に出会ってしまう。この本は、タイトルや表紙の印象と、中身のギャップが激しくあって、新鮮な驚きがあった。
読み終わると、考えさせられる。内容が哲学的。動物をキャラクターに仕立てているけど、現実の人間社会に必ずいる「困った人」を思わせる。こういうイヤな部分は、自分も持っているとわかる。そして、作物が育って収穫を迎える段になると、それぞれが自分(だけの)利益を確保したくて、争いになる…今の社会、世界のありようを見事に描いていると思った。

子ども時代も、嫌なことはいっぱいあった。大人顔負けに、争いもあるし、嫌な奴もいるし、自分の中に嫌な性格を見つけるし…もう、どうしていいのかわからなくなることもあった。だれでも108つの煩悩があると、仏教の世界ではいうらしい。悩みはなくならないし、問題も解決したと思ったら新たな問題が出てくる。いつまでたっても「めでたし、めでたし」にならないのが、浮世のさだめ。
この絵本を読んでいて、そんなことを考えてしまった。

あんなにかわいい見た目の〇〇さんが、こんなに強欲だったなんて!普段はあんなにいい人なのに、いざとなったら冷たいものだね…そんな風に、表面上のいい人をすかして本音の部分が見えてくる経験を、これからこの本を読んでいる子どもたちもきっとするのだろう。そうやって、大人になって年をとっていくのが、浮世のさだめ。
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絵本ナビ編集長『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』2月24日発売!

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