新刊
世界の国からいただきます!

世界の国からいただきます!(徳間書店)

世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!

話題
かむもかまぬも神だのみ めちゃヘンな早口ことば

かむもかまぬも神だのみ めちゃヘンな早口ことば(小学館集英社プロダクション)

これ、言える? 言えたらヒーロー! みんなで遊べる! 一瞬で噛んじゃうヘンテコ早口ことば!

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ヒラP21

その他の方・70代以上・千葉県

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自己紹介
子どもの通う小学校の読み聞かせをスタートに、絵本の世界に飛び込んだ私ですが、いつの間にか子どもは親離れ。
私だけが絵本の世界に残ってしまいました。
小学校、中学校での読み聞かせをベースに、障害者関連施設、高齢者福祉施設と新境地を開拓中です。

読み聞かせおすすめコーナー

公開

ヒラP21さんの声

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自信を持っておすすめしたい 素晴らしい叙情詩  投稿日:2009/03/03
月夜のみみずく
月夜のみみずく 作: ヨーレン
絵: ショーエンヘール
訳: 工藤 直子

出版社: 偕成社
初めてみみずく探しに連れて行ってもらえた心の震え。お父さんに対する無条件の信頼。大自然に対するとても純粋な受容力。少女のとても繊細で無垢な心が、透明感のある詩に溢れています。

詩の中に、親子の会話、心のときめき、みみずくとであったときの感動が、盛り込まれていて、物語以上に饒舌な物語だと思います。

お父さんの言葉、心が伝わってきます。
この少女の一生の宝物になるような話だと感じました。
私は、子どもにこのような宝物を私損ねたかもしれない。

読み聞かせが終わったあと、心地よい余韻に浸ることができました。
詩と絵のコラボレーションが素晴らしく、読んでいてウットリしてしまう絵本です。

説明などは不要な、感じる絵本だと思います。
参考になりました。 2人

なかなかよいと思う 笑い声がポイントかな?  投稿日:2009/03/02
いろはにほへと
いろはにほへと 作: 今江 祥智
絵: 長谷川 義史

出版社: BL出版
かっちゃんが習いたての「いろはにほへと」を繰り返し口にしながら歩いていると、侍にぶつかってしまった。
それから、「いろはにほへと」がお題目のように生き生きとしてくる。最後は、「いろはにほへと」が国を救うというスケールの大きさです。
リズミカルで、ユーモアがあって、絵が面白い。
良い本を見つけたと、読み聞かせに望んだが、読んでいて苦戦しました。
笑う場面がたびたび出てきて、リズムを持たせる重要なポイントなのに、うまく笑えない。口先だけで「わっはっは」とやっても、面白さがイマイチ子ども達に届かない。
楽しそうに笑わなければ駄目ですよね。
私の次にお母さんが「わらっちゃった」の読み聞かせをした。笑い声が楽しそうで、子ども達が惹き付けられているのが良く判った。
絵本の読み聞かせには、笑い方の練習が必要?

本の内容はとても良いと思うので、練習してからまたチャレンジしたいと思いました。
参考になりました。 0人

自信を持っておすすめしたい 絵本は教科書  投稿日:2009/02/22
おとなりさん
おとなりさん 作: きしら まゆこ
絵: 高畠 純

出版社: BL出版
読み聞かせをしていて、絵本は教科書だと実感します。絵本はいろいろなことを教えてくれる。読み聞かせをする自分にとっても同様です。もっと早く読み聞かせを始めていれば、息子の成長にもっと向き合えたのに…。

この、「おとなりさん」はさしあたってコミュニケーションの初級教科書です。
一人暮らしに物足りなくなって、おとなりが気になるにわとりさん。引っ越してきたのはふくろうさん。どうにかしてお知り合いになりたい。生活時間の違う二人が、あれこれして見つけた方法は伝言板。めでたし、めでたし。

でも、このおじさんはもう少し意地悪です。

おとなりが気になるにわとりさん。どうしてあきらめなかったのかな?
となりにどんな人が住んでいるか、知らない人って多くない? 大人って、そんなところがある。伝言板があったら、本当は仲良くできるのかもしれないのに。
となりどうしのやりとりが、ケータイだったりすること多くない? やっぱり、顔を合わせることが大事だったりするんじゃないかな?

にわとりさんは、ふくろうさんにサングラスを贈ります。やっぱり会いたいからです。

子どもに語りながら、学ばなければいけないのは大人のほうかもしれませんね。
参考になりました。 0人

なかなかよいと思う 男どうし  投稿日:2009/02/19
かかし
かかし 作: シド・フライシュマン
絵: ピーター・シス
訳: 小池 昌代

出版社: ゴブリン書房
映画のような絵本である。言葉少なでありながら、映画のシーンのように心にしみこんでくる。
かかしと老人と若者。この絵本の良さは、男どうしの心のふれあいだと思う。

老人が顔のないかかしを作った。少し不気味である。一人暮らしの老人は、かかしに語りかけながら、顔を作り、靴や軍手を与え、服を着せ、かかしを自分の家族のように作り上げていく。家族に先立たれ一人ぼっちの老人は、かかしを相手に、実は自分と対話しているのである。

若者が現れる。老人の仕事を一つ一つ手伝い始める。若者も家族を失った一人者である。
老人の注文に一つ一つ応える若者に、老人は心を許し、かかしに着させたものをひとつずつ若者に与えていく。老人は一人ぼっちではなくなった。

老人は若者と、言葉少なに話ながら実に自分の思いを伝えていると思った。ハーモニカのメロディを通しての心の通い合いも素晴らしい。最後のシーンで、老人が若者に「チェッカーゲームでもどうだい」というところは、絶妙である。

絵本としては、言葉少なで地味かもしれない。
ただ、饒舌で説明口調の絵本より、心に響いてくるのである。

息子と、一緒に感じたい絵本である。
参考になりました。 0人

自信を持っておすすめしたい 本読みしながら涙腺が…  投稿日:2009/02/16
なっちゃんとぼく
なっちゃんとぼく 作: 梅田 俊作 梅田 佳子
絵: 梅田 俊作 梅田 佳子

出版社: 岩崎書店
6年生の朝の読み聞かせ。
読み終わったら、クラス中がシーンとして僕を見つめていた。この感動は初めての体験。(ヤッターと思った)
6年生の読み聞かせって、本選びも難しいし、読んでいる途中の反応がまちまちで、読んでいる時不安なんだよね。

この本、息子と同じ6年生の読み聞かせに選びたかった本でもあり、とても不安な本でもありました。
幼稚園の時に交通事故にあって意識不明のまま寝たきりのお姉ちゃん。
ひとりマラソン大会に飛び入りで頑張るゆうすけ。お姉ちゃんとの心の会話がとても素晴らしい。このなっちゃんを中心に、家族愛が展開されます。
ただ、躊躇したのは、寝たきりのなっちゃんの初潮が重要なポイントになっていることです。思春期をむかえる6年生にどの様に取られるだろう。しかも、男の読み聞かせ。
心配だったので、読み聞かせサークルの女性リーダーに相談しました。実際に読んでもらって、大丈夫とお許しが出た作品だったのです。

この絵本の中で、なっちゃんが初潮をむかえた日にお父さんの言った言葉があります。
「あきらめないぞ、生きつづけるぞ、なっちゃんはそういっているんだね。おとうさんはなっちゃんからまたひとつ、大きな力をもらったぞ。ありがとうなっちゃん。」
この一言を伝えたかった。これは、梅田俊作さんの言葉であり、自分が息子に伝えたいメッセージでもあります。

読み聞かせをしながら、この所で泣きたくなってしまう。

物語は、片づけられたマラソン大会のゴールで、お父さんとお兄さんが待っているところで終わります。ゆうすけは、友達にはげまされながらゴールイン。

私が教室を出るまで静かだった6年生のみんなに、この話がどのように受け止められたかは分からないけど、きっと私の思いの何かをつかんでくれたことと思います。
「卒業する君たち、がんばれ!」

ちなみに、この話は実話を基にしています。
参考になりました。 2人

自信を持っておすすめしたい 第一級の環境保護絵本です  投稿日:2009/02/11
森の木
森の木 作・絵: 川端誠
出版社: リブロポート
この絵本、物語が絵に囲まれて、いかにも著者の思いが前面に出ている。
それでいて、その文字が絵の一部であるかのように、周りを囲む絵の細やかさと調和していて、素晴らしい。

話は、木の精の話。
木の精が、村人たちと共存していたときは、自然はみんなのものだった。森のめぐみを分かち合い、自然のめぐみ以上のものを欲しなかった。
この均衡を破ったのは、人の欲望である。そして、村人たちの素朴な生活を崩していく権力である。
権力は住民を引き離し、利益を上げるために欲望のまま商人や学者の協力者と手を結ぶ。
温室が作られ季節がなくなる。人工的に環境が変えられていく。
温暖化。無理に育てた木の中に魔物が生まれる。そして、商人や学者や権力に逆襲し、村人さえも土地から追いやってしまう。
最後は環境破壊…。(経済破壊でもある)。

この絵本、今そのものではないか!
この現代そのものを、著者はモクという木の精を通して語りかける。決して主張や説教でないところにこの本の重さと不気味さがある。

読み聞かせをしながら、この絵本は大人のための絵本だと思った。読み聞かせが終わって、子どもに説明できる大人になって欲しい。そんな絵本だと思った。

最後に、崩壊した土地から再生の芽が生まれているところが救いである。
参考になりました。 0人

自信を持っておすすめしたい 主人公も成長するんだね  投稿日:2009/02/08
さくらの里の風来坊
さくらの里の風来坊 作・絵: 川端 誠
出版社: BL出版
風来坊シリーズは、木彫りにかけては天下一品というお坊さんの大活躍する絵本。主人公は、無骨で人情味があって、とても親しみが持てるお坊さんです。
その中で、「さくらの里の風来坊」は、悲し過ぎる話で、風来坊が大きく成長した作品だと思います。目の前で、馬にはねられて死んでいく母親。シリーズの中で、初めて風来坊は人を救うことが出来なかった。自分では、どうにもできない、武士への怒りと、無力感。
風来坊は母親の古里を訪ねます。供養のため出来ることは、自分の悔しさをこめてやはり木彫りの観音像を作ること。観音像を手作りの祠におさめて、死んだ母親が見たかったという満開のさくらを見渡す風来坊の表情はとてもいい顔をしています。

風来坊シリーズ。
最初の「風来坊」では、荒削りなお坊さんでした。それだけ印象に残ったのですが。
「かえってきた風来坊」では、子どもたちを救い、権力に立ち向かい、正義感を力で表現していました。
「風来坊の子守唄がきこえる」では、火の中からすくった赤ん坊を親に返すまで育て上げる、人情味が出てきたお坊さん。お坊さんが親になりました。何もいわず子どもを親の手元に残し立ち去るお坊さんは、とても哀愁があって素敵でした。
「風来坊危機一髪」では、機転の利くお坊さんに成長していました。スピード感があって予想外の展開で最後にあっと言わせてくれます。シリーズの中で、息子が一番気に入った作品です。

そして、「さくらの里の風来坊」。お坊さんは、挫折を知り、一回り大きくなったように思います。子どもには、少し悲しすぎるかもしれないけど、このシリーズ、次の作品を見たい。

絵本のシリーズものというと、パターン化されていて、だんだん感動が薄くなっていくように思っていましたが、巻を重ねるごとに、主人公の成長を見せてくれる。
川端誠はすごいと思いました。
参考になりました。 1人

自信を持っておすすめしたい 自分がほんわりできる絵本  投稿日:2009/02/05
えすがたあねさま
えすがたあねさま 作: 大川 悦生
絵: 梅田 俊作

出版社: ポプラ社
息子の感想は二の次にして、この絵本をよんでとても心地よい気分になった。
姉さまの顔が実にいい。夫を思いやる純粋さがいい。自分もこんな嫁さんが欲しい。(などと思うと奥さんに叱られそう。)
昔話に出てくるお嫁さんは、概して実にご主人思いである。こんなに思われたら、力もわいてくる。(やっぱり奥さんにしかられそう)
しかし、我が家も純粋な時代があったのである(?)。
ひねくれ者の私は、この昔話の続編を考える。すなわち、現在の我が家である。(本当に奥さんにどなられそうな気がしてきた。)
お城で、仲の良い姉さまと、純朴な男は末永く幸せに暮らしたのでしょう。

そんな話はさておいて、とても声に出して読みやすい絵本だと思いました。
梅田俊作さんの絵が妙に艶やかで優しさに満ちていて素晴らしいと思います。
子どもに読み聞かせしながら、自分自身もほんわりできる、お父さんにお薦めの癒し絵本だと思いました。
参考になりました。 1人

自信を持っておすすめしたい 子どもに夢を  投稿日:2009/02/05
とってもだいすきドラえもん
とってもだいすきドラえもん 作: 乙武 洋匡
絵: むぎわらしんたろう

出版社: 小学館
息子が「きかんしゃトーマスシリーズ」をあまり読まなくなった頃、小学校に入る息子にと選んだ本です。

乙武洋匡のやさしい詩と、心地よいパステル画。
物語ではなく、小学校の四季に合わせて、見開き毎にドラえもんグッズが現れるのも楽しくて、今日はここ、今日はここと読んで聞かせたことを思い出します。

あれから、6年。息子は相変わらずドラえもんファンで、この絵本も大事にしてくれています。
この本を通して、あの頃息子に重ねていた夢と、現在のギャップは、子どもの成長のせいでしょうか。
参考になりました。 1人

なかなかよいと思う 史実を伝えるということ、事実を感じるとい  投稿日:2009/02/05
ここが家だ
ここが家だ 作: アーサー・ビナード
絵: ベン・シャーン

出版社: 集英社
息子と、夢の島の第五福竜丸を見学した。
展示された船のまわりには、広島に落とされた原爆の1千倍という水爆の恐ろしさ、放射能の怖さを示す様々な展示があった。
犠牲者の家族、特に漁労長のまだ幼い子どもの記録に胸を打たれた。
そして、多くの小中学校生が見学に来ていること、様々な言葉を残していることに驚いた。
過去の史実に触れるということ。
これは、とても重要なことだと思うが、過度の恐ろしさを子どもに植えつけ過ぎても、よくないのではないかと思う。
与えるだけではなく、消化させるためのケアが必要である。
博物館にいくつかの絵本と紙芝居があった。
この本は、息子が迷いつつ選んだ絵本である。
モノトーンの絵が、言葉少なに強く語りかける。
時折、絵はカラーになり、見るものを悲しみの奥深くに引きずりいれる。
絵は、写真よりも生々しくもなり、重くもなり、見る者に語りかける。
文は重くて、読み聞かせるのにも力がいる。
息子は、どの様に感じ、どの様に消化していくのだろうか。
自分が過去から引き継いできた史実を伝えるということ。
これも親として重要なことだと思う。
参考になりました。 1人

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【連載】絵本ナビ編集長イソザキの「あたらしい絵本大賞ってなに?」

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