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大きな使命を果たした人たち
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投稿日:2024/05/17 |
パナマや台湾、朝鮮半島など、海外で活躍した土木工事の技術者を紹介する絵本。
2005年刊行。
青山士(1878〜1963)パナマ運河の工事に携わる。
八田與一(1886〜1942)台湾・嘉南平原の治水工事。
久保田豊(1890〜1986)朝鮮半島他、東南アジア各地への技術協力。
どの人も途方もない大事業を成し遂げているが、大変な困難に打ち勝って、多くの協力者があり、また犠牲者もあったことを忘れてはならない。寝る間も惜しんで調査・研究・作業をしたり、資金難に苦しんだり、技術的に難しい事や、世界初の試みに挑戦したりするなど、波乱に富んだ展開ばかりだ。
そして、どの人にも共通するのが、目の前の仕事だけではなく、遠い未来のことまで考えていたこと。
そして、ひとりひとりの命を大事にしたこと。
特に印象に残ったのは、八田與一の台湾の仕事だ。八田は、広大な範囲の土地を、豊かな耕作地に変えたばかりか、子孫たちが長く、無理なく農業を続けられるように、農作業の方法まで指導した。あまり日本では知られていないのが残念だ。
多くの偉大なご先祖様たちが、素晴らしいものを私たちに残してくださったと思って感動した。
本シリーズは全5巻あり、どの本から読んでも素晴らしい人ばかりだ。水が自由に飲めること、食べ物に困らない時代に生きられることを、心から感謝したい。
そして、自分も子孫たちに良いものを残していきたい。
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小学校の図書館で一番初めに読んだ本
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投稿日:2024/05/17 |
冬場に食べ物を探し回る母狐のお話。
1982年刊行。2012年時点で、代34刷発行。
個人的に思い入れの深い一冊。
小学校2年生の時、「学校の図書室のつかいかた」の授業があった。一人一冊、本を読んで感想を書く(発表する)という内容だった。私はこの本を選んで読んだが、時間内に読み切れなかったことを今でも覚えている。
中年になってからふと思い立ち、読んでみた。
ロングセラー絵本になっていて、ビックリした。
お話の内容は、飢えた母狐が、子ぎつねに食べ物を与えるために冬の野山を探し回り、人里にまで降りてくる。
しかしとうとう食べ物が見つからず、途方に暮れている時に、「のせぎょう」という行事でお稲荷様に捧げられたお供え物を得ることができ、親子の狐は助かる、という内容。
そんなハードな内容だったとは思わなかった。
当時はどんな気持ちで読んでいたのだろうか。
大人になってから読むと、自然の厳しさや、人々の温かさ、里山での生活についてなど、いろいろと思うところがある。
小学生の時分ではわからなかっただろうなあ。
大胆な絵がユーモラスではあるが、なかなかしんどい内容で、印象に残った。
野生動物も人間も、幸せに共存して欲しい。
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ものを知ると、風景が一変する
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投稿日:2024/05/17 |
ニューヨークのビルの屋上にある給水塔の話。
2002年刊行。
普段の生活で、なんとなく不思議に思っている「風景の一部」を、興味を持って調べてみたら意外と面白いことがわかった。
100年前の人々の暮らし。ニューヨークの歴史。高層建築が多い理由や、高い建物の各部屋にまんべんなく水をくばる設備の工夫など、段々と「給水塔」の全貌が明らかになっていく。
地味な存在だが、無いと困る。
しかし、敢えて良く知ろうとも思わなかった。
そんな存在が、あちこちにあるのだろうと思った。
高い建物で作業する人達へ取材をしている。やはり最初はひどく恐ろしく感じるようだ。しかし、慣れてくると最高の景色を見ながら仕事をしている。自分の仕事が人々に大いに役に立っていると、作業員の一人一人がほこりに思っている様子が伝わって来る。
日常生活を支えるいろんな者や、それを提供してくれる人によって、私たちは快適な生活を実現できていることがよくわかる。
ひとつモノを知ると、今までなんとなく見ていた「風景」が一変した。世の中はありがたいものでいっぱいだ。
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ヘビもカエルも美しい
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投稿日:2024/05/10 |
島根県にある「地倉沼」の、生き物や植物、季節による沼の変化や地形についてなどを、写真とイラストで紹介する学習絵本。
2011年刊行。
学生時代に先生から聞いた「水辺の生き物たちの楽園のような沼」に、いつの間にか辿り着いてしまったというエピソードが素敵だ。
著者は、自分の足で歩き、沼を何度も訪れて撮影し、いろんなことに気づいていく。本書に書かれなかったことが、きっとたくさんあっただろうと思った。
木の上に卵を産みつけるカエルや、沼地に集まるヘビ、水がなくなると卵の形で次のチャンスを待っているエビなど、面白い生き物がたくさんいる。それぞれの生き物の暮らしぶりや、気持ちが伝わってくるようで、臨場感がある。
水辺では虫もたくさんいて、蚊に刺されたり、足場が悪かったり、大変な思いもしてこられたと思うが、それよりも、目の前に展開される美しい風景、生き物の様子に魅了されて夢中になっていただろう写真家の姿、感動が伝わって来る。
美人に撮られたカエルやヘビたちを是非とも見てもらいたい。こういう場所をいつまでも守って、自然豊かな地球であってほしい。
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どこかで見たことがある植物
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投稿日:2024/05/10 |
日本語名はセイヨウトチノキ。
マロニエの木の一年間を、枝の先についた芽、広がる葉、花や実のなる様子で紹介する学習絵本。
1993年刊行。(原書:1987年)
とちの木は小学校の裏手に植わっているのを見た。結構大きな実が成るのに、栗のようには食べないと言われて、なんだかガッカリした記憶がある。
マロニエは、フランスあたりで見かけた。やはり、栗くらいの大きな立派な実がなるのに、誰も拾って食べたりしないらしく、道端にゴロゴロと転がっていた。
栗のように実を食べるものでないと、あまり積極的に樹木に感心を持たないで過ごしてきたが、別に食べなくても、ただ見ているだけでも十分に素敵だと最近わかってきた。
本書は、小さな芽が春になると、その中にしまっていた葉っぱを出して、大きく葉が広がる様子など、素人にはなかなか見られない樹木の姿を、大きな写真で見せてくれる。
あんなに小さくまとめて「芽」に入れて、春が来たらさっさと大きく広げて、太陽の光などを利用して養分を作る。
折り畳み傘を広げたり、しまったりするようなことを、実に上手にやってのけるところがエライ。
前衛的な形の実も面白い。とげとげの殻に包まれているのだが、あの棘が何のためについているのかわからない。
パンクな印象。植物の実は、良く見るとかなりやんちゃなデザインのものがあったりして楽しい。
面白がって、「マロニエ 食べる」でネット検索もしてみたが、やはり食べないのだそうだ。フランスでは「マロン」という単語はあるが、それはマロニエの実のこと。これは食べない。
食べるほうは、「シャテニエ」と言って、日本の栗のように、食用になる。日本では食べない「マロン」を食用の栗の実のお菓子に使っているから、ややこしい。
写真絵本一冊から、いろんな調べものをしたり、思い出を味わったりして、楽しかった。
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読者も出番がありますよ。参加型ミステリーギャグ
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投稿日:2024/05/07 |
拾ったチラシで温泉宿にある「黄金のライオン」を盗む気満々になったゾロリ一家の、愛と笑いと想定外の物語。
2000年刊行。シリーズ27作目。
子ども向けのミステリーとはいえ、なかなか油断ができない驚きの展開。とにかく読者を飽きさせないし、推理は強制参加で、巻末には本筋とは別のなぞなぞまで用意されており、何かと忙しい物語だ。
読者はぼんやりしていられないので、目ん玉を皿のようにしてページの隅々を眺めて、怪しいところを探しておかねばならない。
温泉宿で発生した盗難事件。当時、ちまたで流行っていた、テレビドラマの推理物:湯けむりサスペンス(私は殆ど見ていないが、パロディやギャグのネタにはよく使われていた)を下敷きに、愉快で楽しいギャグを連発。
私は大人向けのドロドロ劇よりも、こちらの方が好きだ。
是非とも本書を開いて、楽しんで欲しい。
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堅実な幸せを感じる。
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投稿日:2024/05/01 |
牛や豚、鶏などを飼ったり、畑で麦や作物を育てたり、収穫したものを売ったりする農場の一日を描いた本。
1971年刊行。原書:1942年、アメリカ。
アメリカの昔の農民の一日の作業を淡々と描いたお話。
スモールさんしか登場しないが、こんなにたくさんの動物を飼っているし、畑もやっているし、小売販売もしているから、家族か、一緒に働いている人もあるだろうと、思った。
私は、北関東で農業をしている家で育ったが、農作業は地味に大変で、野菜の収穫などは、一気に大量の白菜ができたり、田植えや稲刈りも一家総出で取り掛かった。木の実(柿など)も、成る時はどんどん容赦なく熟れてくる。人間の都合などおかまいなしで、大量の作物ができて、待っていてくれないので、放置しておくと腐って、土にかえろうとする。
急いで干し柿にしたり、収穫後に長持ちさせるためにいろいろしたり、昔の人は大変だった。
そんなことを思い出して、懐かしい気持ちでいっぱい。
しかし、アメリカの農業は、広い。
スモールさんの家の、農場は広くて、車で行ったり来たりしている。トラクターも、あれなら大活躍だろう。
うちでもトラクターや田植え機などを使っていたけど、なんとなく「もっとはたらきたい」と機械が出番を待っている程度の耕地面積だった。
たくさんの動物がいて、賑やかそう。いろいろ大変なことも多いと思うが、なんだから地道に幸せな生活を続けておられるのが尊い。立派な人生だなあと思った。
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ヒヤシンスには、種ができる
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投稿日:2024/04/25 |
球根から葉を出し、花を咲かせるヒヤシンスの、成長を写真で紹介した絵本。
1992年刊行。原書:1989年。
球根のヒヤシンスをガラスの器で水栽培したことが何度かあるが、意外と知らないことがあってびっくりした。
改めて、1つ1つの成長を丁寧に見ていくと、下記の事が心に残った。
・球根からいきなり出来上がった丈夫な葉っぱが出る。
葉っぱだけでなく、茎やつぼみもいっぺんに出るようで、なんだかせっかちな印象。
・花は、実は1枚の花弁が筒状になったものだった。桜の花のように何枚かで作られているのではなかった。
・花が咲いた後に、実が成る。実から芽も出る。
(ネットで調べたら、実から育てることもできるが、花がさくまで5〜6年かかるそうだ)
・花が終ったあとの球根は、来年また成長して花を咲かせる。多年草。夏は休眠。
水栽培して、いつも花が終ると捨ててしまっていて、かわいそうなことをしたと反省。
次に育てる時は、長く植わっていてもらおう。
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泣ける笑えるいい仕事
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投稿日:2024/04/25 |
巨大隕石が地球に衝突する危機を、ゾロリたちがどうにかしてしまうお話。
1999年12月発行。
当時の懐かしい思い出の、美味しいところを選び抜いてネタにした楽しいギャグがわかったら、二倍楽しい。
当時の総理大臣や、流行した映画、その他諸々を使った楽しい話や、魅力的なキャラクターは、さすがだと思う。
特に、色男で、豊かで健康で幸せで、彼女といちゃいちゃしっぱなしのブリオ氏と、劣等感の塊で、何をしても失敗ばかりでいじけているフレディ氏の対比が面白い。
しかし、どんな登場人物(人ではないけど)にも、必ず良いところや、得意なものを持たせて、活躍してもらうところが、素敵だ。ただ面白いだけでなく、人情味があって、温かい。
ゾロリたちは泥棒なのに、なかなか人脈が広くて、思わぬ人物に助けられたりして、素晴らしい。
ネタバレしないように感想を書くのが難しいが、みんな、非常事態には勇気や愛や、侠気を見せる。
是非とも、普段から本気で生きて欲しい。
ふと気が付いたが、襲ってくる隕石の形が、ジャガイモのように見えた。全く気のせいだが、裏のテーマが、「サツマイモ VS ジャガイモ」だったらと思うと、どちらに私は加勢したらよいか、真剣に悩む。
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新しい時代を開拓した偉大な仕事
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投稿日:2024/04/21 |
江戸時代末期に、脱藩・密航して外国の進んだ技術・文化を、命がけで学んできた井上勝をはじめに、明治時代に日本の鉱山・鉄道・治水などの難しい工事をやり遂げた偉大な先人を紹介する絵本。
2004年刊行。
紹介されている人物:
井上勝(鉄道)、古市公威(土木建築、工学教育他)、沖野忠雄(治水工事)、田辺朔郎(治水、水力発電)、広井勇(教育、港湾)
トンネル工事や、港の建設、川の整備や鉄道づくりなどを、基本的な知識がなくても、事業の様子や、大変さ、関わる人がどのような気持ちでとりくんだか、などが、よくわかるように描かれている。
最後のページには、空海などのお坊さんたちや、戦国武将、明治時代のお雇い外国人や日本人技術者たちが一堂に会した絵がある。
先人たちの偉大な取り組みが、今の私たちに繋がっていることがわかり、感動的。
しっかりとした年表や、難しい箇所には注釈もついている。作者が丹念に下調べをして、間違いがないように、理解しやすいように配慮した様子がありがたい。
本シリーズでは、明治時代に活躍した人物だけで2冊の絵本がある。この大きな変化の時代に、多くの人たちが熱心に自分たちの住んでいる国や地域、人々の生活や子孫の繁栄を真剣に願い、活動されてきたことが伝わる。
今までは「ただの風景」だった鉄道やトンネル、河川、港などが、実は、多くの人の努力で安全な形になったと思うと、有難い気持ちでいっぱい。
読み応えがあるので、大人もぜひ読んで欲しい。
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