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カッコいい!
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投稿日:2024/07/23 |
ハッチョウトンボの取材を通して、湿地や水辺、生き物のくらし、環境について書いた写真絵本。トンボや水辺の昆虫・生きものの写真が満載。
2005年刊行。隊長2センチ未満の小さいトンボが生きている様子を、撮影者(筆者)はどんな気持ちで見ていたのだろうか。
私はとても丁寧に、トンボを尊敬していたような気がしてならない。
普通の大きさのトンボと比べて、ずいぶん小さくて、危険も多く、生育地が減ってきたり、環境の変化で生き残るのが大変だ。しかし、このトンボを大切にしなければならないと思う人たちが協力して、保護地が作られた。人間の影響力の大きさを改めて知った。
生き物が豊かに暮らせる場所があちこちにあることは、本当に豊かだと思う。虫が生きられる環境と、虫もいきられない環境と、どっちがいいだろうか?
思い機材をもってハッチョウトンボの居る湿地に通って、丁寧に撮影を続けた筆者と、本書を出版してくれた人たちがいることで、私は「ハッチョウトンボ」という存在を知った。
そして、いろんなことを考えた。
人の活動は、人を良くして、環境も良くしていくものであって欲しいと思った。
大人が見ても素敵な絵本です。
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これ一冊では話は終わらないぞ!
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投稿日:2024/07/23 |
魔法学校を抜け出してきた少女から聞かされた「魔法の杖」を手に入れようとあれこれ画策するうちに、伝説の三人の勇者・正義の味方にされてしまったゾロリ一家。
魔法の杖は手に入るのか?(前半)
2003年刊行。ページが少なくなってきたのに、話がまだまだ終わらないと思ったら、なんと「1冊じゃ書ききれなかったよ」と作者の「ごめんなさい」が最終ページに。
素直に謝ることができる、心の美しい大人である。
そしてお話は、セコくて汚い大人の事情が山盛りで、万能の杖を手にした物が、自らの欲望に支配されて堕落していく…という醜い争いが大展開。そんな世界も表現できる筆者の守備範囲の広さが素敵だ。
ゾロリの話は、基本的に子ど向けなので軽くて楽しい内容が多いはずだが、読んでいる私は単純明快に楽しむと当時に、ちょっと深読みして「人の心の病み・闇」を感じてしまったり、社会に対する意見としてとらえてみたりしている。
このお話も、巨大な権力を持った人間が、身の振り方を間違って、周囲を巻き込んで不幸になっていく様子を見てしまった。身の丈に合わない強力な道具や、強大な力を得てしまうと、わがままが爆発。なんてこったい。
さて、後半が楽しみだ。
毎度、いろんな展開で、話がジェットコースター並みにいろいろ急展開して飽きさせません。
巻頭、巻末に読者のお楽しみゲームやもろもろのサービスがあって、たっぷり楽しめる構造になっているのも嬉しい。
これでお値段900円(税別)ですって。
世の中を明るくするサービス価格ですよ。さすがっ!
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世界中の人とつながっていることがわかる
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投稿日:2024/07/05 |
身近な「鉛筆」の材料1つ1つを通して、それに関わる人たちの人生と、自分の人生がつながっていることがわかる絵本。
1985年刊行。
子どもの頃にも、読んだ記憶があった。
鉛筆の材料である「黒煙」「樹木」を採取する人、加工する人、運ぶ人、加工して鉛筆に組み立てる人、鉛筆を売る人。
それぞれの工程に関わる人の人生や家族、暮らしや仕事ぶりを写真で紹介している。
私たちが子どもの頃に、一番身近に使った道具の1つであり、大人になるとあまり使わなくなったものだが、実に多くの人が関わっていた。材料も、バトンを渡して繋いでいくリレーのように、外国から日本にやってきて、工場で加工されて、お店で売られて、私のもとにやって来る。実は奇跡の出会い。
こういうことを知ると、モノを大切にしようと思う。
物ばかりではなく、人も大切にしなければならないし、自分自身も大切に、地球も大切にしなければ。
粗末に扱ってよいものなど1つもないのだとわかる。
80年代にできた本だが、今見ても、とても考えさせられる。素晴らしい作品だと思う。
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世の中は、知らないことだらけだった
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投稿日:2024/07/05 |
鉄道や道路、ダム、工事で使う材料をつくる工場などの、現場を緻密なイラストで紹介する社会の本。
2016年刊行。
「モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた!」(アスペクト)を絵本として再構成・出版。工事現場の取材は2006〜2009年にかけて行われたもの。
工事の関係者しか入れない場所のことを事細かにイラストに描いてくれた。重機やいろんな工夫、材料、作業員向け便利グッズ、安全対策…この世の中は知らないことだらけだ。
例えば、海底のやわらかい土壌を改良する技術や、巨大なトンネルを効率よく掘る技術、周辺の環境に配慮した工事方法など、工事現場ではいろんな新しい方法を試していて、常に進化している。
取材は2006年〜9年ごろなので、2024年の現在では、もっとスゴイ技術ができているのだろうと思われる。
うちの近所や、行く先々で「工事」しているのだが、
ああいうところで働いている人たちのすごさや偉大さがわかる絵本。知らないと何気ない風景になってしまうけど、ちょっとでも関心をもつと、先人たちの素晴らしい技術や努力が形を成しており、子孫たちが豊かに幸せに、安心して暮らせるようにしてくれたと思えて、感謝する。
大人が見ても面白くてためになる絵本。
大きな画面で、ゆっくりじっくり味わいたい。
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これを読むと石の個性が見えてくる
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投稿日:2024/07/05 |
河原で拾えるような、身近な石の、性質や名前などを紹介する科学絵本。
2018年刊行。
最初に石の写真があって、「つぶが見える」「つぶがみえない」などの簡単な特徴が書かれている。読み進めていくと、最後に名前や種類などの詳しいプロフィールがわかる。
最初に名前を言わないので、先入観がなく、「なんだろう?」と興味を持って見られる。読者に参加してもらい、一緒に考えてみる工夫がしてあり、ぼ〜っと見ているだけで終わらない絵本。
良く見ると、色も、個性的であるし、質感もざらざらしていそうだったり、つるつるしているのが感じられたり、いろんな個性が伝わる。最後には、素人もわかりやすいように、しっかりと整理された情報、図がまとめてあり、自然と頭に入る。
石とは、なんでも同じもののように見えてしまっていたが、こんなに個性が違っているなんて、面白い。
道端の石も、河原や田んぼにあるものも、何かの名前がついていそうで、観察が楽しくなる。
こういう絵本は、人生に潤いをもたらしてくれる。
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楽しいお祭りは、人間だけのものではなかった
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投稿日:2024/07/01 |
仏様や神様、妖怪さんたちが夏祭りを楽しむお話。
2020年刊行。
屋台が一軒一軒、個性的。仏様が出しているので、綿あめは「悟の味」で、もんじゅ焼きは「頭がよくなる」(文殊菩薩)、かき氷は仁王様がムキムキの筋肉を見せびらかしながら、粋でいなせな手作業で作ってくれる。どれもご利益ありそうだ。弁天様の金魚すくいは、恵比寿様が反則技。弁天様が完全にテキヤのお姉さんになっていて、ジャージにサンダル履きという素敵なスタイルでお出迎え。人気が出そうだ。
お話も面白いが、絵のすみずみまで面白い。
あちこち見て、いろんなキャラクターが個性を発揮しているところを見つけて楽しめる。
仏さまも、神様も、妖怪たちも一緒に祭りを楽しんでいるところが、日本らしいと思った。みんな仲間で、仲良く遊んでいるのがほほえましい。
夏に読みたい絵本。
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激しい女の友情の物語
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投稿日:2024/07/01 |
小学校低学年の女子が、仲良くなるお話。
1998年刊行。
小学校の低学年くらいの女子の話なのだけど、どの場面も、自分が小学校の時に同じような体験をしたことを思い出させる。
遊具の取り合いや、学校の帰り道、いつの間にか仲良くなっていた子、クラスで飼っていたメダカの水槽。
おもらしする子もいて、子どもは容赦なくはやし立てていじめていた。子どもの世界は残酷だから、どこかで弱みを見せると、いつまでもしつこくネタにされていじめられる。
そんな生々しい子どもの本音をしっかり描いた秀逸な絵本だと思う。最後の方で、しっかり友情が芽生えていい終わり方をしているのが心に残った。最初は、自分の事しか考えていない未熟な子どもが、すこしずついろんな経験をして、相手のことを考えられるようになっていく様子が頼もしい。
この二人がその後、どんな成長をしていくのか、楽しみだ。
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人生は浪花節
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投稿日:2024/07/01 |
八百屋で出会った人参と、ごぼうは、義理の兄妹になって、共にきんぴらになる旅に出る話。
2020年刊行。巻末にきんぴらの由来や栄養の説明付き。
昭和の浪曲の香りがするお話。苦労に苦労を重ねる旅暮らし。
そんなに深刻なテーマではないのだが、ごぼうとにんじんにとっては、どんなお料理にされるかは、人生の結末だから大変だ。必死のアピールと、捨て身の行動で、大冒険。
流しのギタリストとか、旅芸人とか、そいういう世界。
きんびらとは縁もゆかりもない人のもとへ行ってしまうのが面白い。最後はあっさり決まって、良かったと思うけど、もうこれっきり兄妹の姿も見られないと思うと寂しい。
食べることは、命を頂いているのだなあと思った一冊。
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悪役の面目躍如、詐欺スキル炸裂!
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投稿日:2024/06/27 |
世間で注目されているラーメン評論家に扮し、2件の真面目て不器用なラーメン屋さんで大暴れをして野望を達成させようとするゾロリ一家の、馬鹿馬鹿しくも愛に溢れた汗と涙と純愛の物語。
2001年刊行。2015年に第51刷刊行。
グルメブームや、人気のグルメ&お笑タレント、行列のできるお店に殺到する一般庶民など、社会現象をうまいことネタにした楽しいお話。
悪い事をしようとしているのに、結果的に感謝される羽目になる展開も多いゾロリ一家だが、今回は世間の評判通りの悪役で全力投球。関わる人たちにもれなく大迷惑をかけ、いい仕事をしている。
頑固で不器用な職人さんが、間違った方向の「お金儲け」や名誉欲に走り、変なコンサルと契約して、お店も、長年かけて築いた信頼もめちゃめちゃに。
よくある話で、こうやってわかりやすく絵で表現されると、
「ど〜してこんなのにひっかかっちゃうのだろうか」
と首をひねらずにいられない。
欲に目がくらんだり、焦ったりして、冷静さを欠くと、どんんどんダメな方向に騙されまくりだ。
結局、本当に幸せな豊かさを手に入れたいなら、
地味な努力と、人に愛され、信用されることなど、あたりまえのやり方を改良しながら続けていくしかないのだろう。
一発逆転、これで収入が七桁越え、あなたも短時間で〇〇になれる…といった甘い話は、暗い道に。
儲け話を持ち込んでくる人や、妙な話にはご用心。
自分も気をつけようと、肝に銘じました。
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うちにも猫が来た時を思い出した
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投稿日:2024/06/19 |
猫を家にお迎えする前の日の、いろんな空想を描いたお話。
2000年刊行。
小さいころに、どうしても猫と一緒に暮らして見たくて、しつこく猫を飼いたいとだだをこねていたことを思い出した。
なかなか許可が出なかったのに、不思議なことに、猫の方からうちに来て、勝手に住み着いてしまい、結局、飼うことになった。
1匹来たら、次々と2匹目、3匹目が来て、その後、友人の家で飼っていた猫が出産したので、3匹もらって…
という風に、猫と一緒の暮らしが続いた。
そんな体験を思い出しながら、当時の自分も「明日、猫が来る」というドキドキ・ワクワク感を味わった。
本書は、どんな猫が来るか?あれこれ考えて、突拍子もない事になっていて、面白かった。
私は、現実的な想像をする子どもだったから、こんな風には考えなかった。なんだか、面白い発想ができるだけで、人生が100倍は楽しくなって、得した気分になれるのだと思った。
簡単で楽しい話で、誰が読んでも明るい気分になれます。
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