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はじめてのクリスマス

はじめてのクリスマス(偕成社)

人気コンビがおくる、新作クリスマス絵本

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うごく! しゃべる! ぬりえーしょん 海のいきもの

うごく! しゃべる! ぬりえーしょん 海のいきもの (小学館集英社プロダクション)

お子さまの塗ったぬりえが、アニメーションになる!フランス生まれの画期的なぬりえシリーズ!

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渡”邉恵’里’

その他の方・40代・東京都

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自己紹介
アートや本が大好きで、子どもの頃よりも、今、絵本を楽しんでいます。

膠原病患者です。
(混合性結合組織病、関節リウマチ、シェーグレン症候群)
その他、間質性肺炎、甲状腺機能低下症があります。

読書は安全に楽しめる趣味の一つですが、せっかくなので、インプットだけではなく、アウトプットもしてみようと思い、レビューを書いています。
大人のための読書案内の、参考になればうれしいです。
好きなもの
演芸(落語、講談、浪曲、手品、お笑い、大道芸など)
読書(いろいろな本を読みます)
図工(絵画制作、手芸なども)
アートセラピー
東京の街歩き、下町や銭湯巡り、昔風の建物見学
喫茶店・カフェ
料理、自宅で「同居」しているぬか床とのお付き合い
6月は、梅仕事とラッキョウ漬けに精を出す(予定)
ひとこと
大人も楽しめる絵本を探しています。
図書館内のカフェや自宅でゆっくり、絵本を楽しみます。
絵本は誰でも楽しめるアートで、ちょっとした異空間に安全に旅行できます。
年齢に関係なく、いろいろな本を楽しむ事が好きです。

読書は、私のような持病のある人も、入院中も楽しめるステキな娯楽ですね。

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初期〜2020年ごろまで、読書・レビュー記載分

渡”邉恵’里’さんの声

937件中 71 〜 80件目最初のページ 前の10件 6 7 8 9 10 ... 次の10件 最後のページ
自信を持っておすすめしたい ニートの栄枯盛衰  投稿日:2024/01/24
だいふくもち
だいふくもち 作・絵: 田島 征三
出版社: 福音館書店
仕事をせずに暮らしていた、いい年こいた成年男子が、妙な大福もちと出会って大金持ちになる話。

1976年刊行。
大胆で迫力がある絵によく似合う、大胆不敵なニートのおっさん。「これといってしごともせずに」どうやって生きてこられたのか不明だが、運は強かったらしい。
妙な展開で運が開けて、大金持ちになる「わらしべ長者」的な話だが、最後は(ネタバレですが)強欲の為に破滅する。なんとも激しい人生だと思った。

日本版、「金の卵を産むガチョウ」。
運が向いて来た時に、どういう行動をするか、儲かったお金を何に使うか、その生活の中で何を学ぶか…人間としてどう生きたら幸せだろうか、ということを考えさせられる。
主人公がやらかしたことは、多かれ少なかれ、誰にでもその可能性があることであり、私も自分が同じような状況に置かれたら、欲が際限なく膨らんで、バカなことをやってしまいそうだと思った。
最後の場面(一代で築き上げた家や蔵が、壊れていく)を見て、普段の行動の結果がどういうものであるかが、わかって恐ろしかった。

宝くじを大当たりさせた後、お金の使い方を間違って、破滅していくこともあるという。
普段から真面目に働いていたら、そんなひどい結末にはならなかった。
でも、まじめにコツコツ働いていたら、物語にはならないよなあ。現実生活は、物語として面白くない方が、私は安心・安全で素敵な人生だと思った。
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自信を持っておすすめしたい 美しい生き物  投稿日:2024/01/24
ほーら、大きくなったでしょ (13) こうし
ほーら、大きくなったでしょ (13) こうし 作: メアリー・リング
写真: ゴードン・クレイトン
訳: そのひかる

出版社: 評論社
牛が生まれてから、育っていき、大人の牛になるまでを写真で紹介した絵本。

1994年刊行。(原書:1993年)
ジャージー種の乳牛は、2歳になるともう子どもを産んで育てられるようになると知ってびっくりした。
生まれたては、細くて、小鹿のよう。だんだん体がしっかりしてきて、毛の色が変わり、大人の牛の雰囲気になっていく。
美しい生き物だと思った。

牧場と、納屋の中で、他の牛たちや、鶏さんなどと一緒にすくすくと育つ。イラストも、成長の過程を1つ1つ丁寧に描いていて、かわいい。農場にいる家畜で、ペットではないから、いろいろと大変な事もあるけども、できる限り、牛も幸せに、のびのびと暮らして欲しいと思った。
(近代的な酪農では狭い牢屋に入れられて、搾取される辛い一生だけど、本書では広い農場で、青草を食べてのんびり過ごす牛の様子が描かれている)

牛も生きている。かわいらしい顔と、きれいなプロポーションで、素敵な動物で、模様や顔つきも一頭一頭違う。
幸せであって欲しい。
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自信を持っておすすめしたい 昭和児童向けの「ウォーリーを探せ」  投稿日:2024/01/17
とこちゃんはどこ
とこちゃんはどこ 作: 松岡 享子
絵: 加古 里子

出版社: 福音館書店
赤い帽子をかぶった少年が、保護者がちょっと油断したスキに、とことことあちこちに遊びに行ってしまう。いなくなった子どもを探し回る話。

1970年年刊行。
迷子の子どもを必死に探し回る保護者(ご両親や親族の大人の人など)の慌てっぷりや、見つかった後のホッとした気持ちなどが本物。私も子どもの頃に、自主的に行方不明になって、大人たちに散々迷惑をかけた。当時の自分と、周りの大人たちの気持ちがよくわかる。ごめんなさい。

何かに似ていると思ったら、80年代〜日本でも流行した「ウォーリーを探せ」という、人探しゲームの絵本を思い出した。
ウォーリーは1987年にイギリスで出版された、というから(Wikipediaより)、実はこっちの日本の絵本の方が早かった。驚き。(向こうが真似した、というわけではないだろうけど)

昭和の子どもの遊びや、季節の行事、庶民の暮らしなどが垣間見られて、懐かしい気分になる。
スマホも何も、便利で贅沢な道具がなかった時代に、みんなは手作りの遊びを楽しんでいた。当時を知っている人にとってはちょっとタイムスリップした気分。知らない世代には、異空間を体験?
いろんな場所にいる一人一人が、全部違っていて、それぞれに物語があり、個性があるように描き分けているところが、やっぱりスゴイと思う。
画家は、よく人を見ているし、人が大好きだったのだと思った。
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自信を持っておすすめしたい 何で友達がいなかったのかなあ  投稿日:2024/01/15
ともだち できたよ
ともだち できたよ 文: 内田 麟太郎
絵: こみねゆら

出版社: 文研出版
ひとりぽっちのうさぎが、友達をつくる話。

2012年刊行。
素敵な絵と、ちょっと繊細でロマンチックと言える話の筋が、乙女チックな印象の絵本。
とはいえ、どうしてこのうさぎには、それまでにお友達と言える存在がいなかったのか?
友達になろう、と言っても、相手にされなかった理由は?
うさぎの過去が気になる。

そんな意地悪い読み方をしてしまった。
子どものころに体験した、保育所や小学校などでは、友達がたくさんいる人と、いない人がいて、見ていると「それなりの理由」があった。
よくわからない理由でいじめの対象になっている、という気の毒な場合もあったが、「わがまますぎて付き合いきれない」とか、過去に嫌なことをされたから近づかないとか、本の言動に由来するものもあった。
住んでいる家や家族に問題があって、警戒して人が近づかない、というのもあった。
子どもは、意外と冷静に、自分の身を守るために、付き合う人を選んでいた。小さいながらも、自分が生きている世界を安全に保つために、実にいろんなことをしてきた。

そんなことを思い出した。
私は変人で、友達がいなかった。クラスにはやはり「訳あり」で友達がいない子どももいた。
それで、お互い、「訳ありの変人」どうしで、つるんで一緒に遊んでいた。
しかし、中学生くらいになると、一人でも行動できることがわかったので、「独りぼっちは寂しいけど、無理に人と一緒にいなくてもいい」と思って、図書館ばかりに行った。

大人になったら、友達がいてもいなくても、それなりに楽しくやっていけるようになっていた。

この絵本を読みながら、友達がいることや、友達ってなんだろう?とか、友達がいないもの同士が一緒になってその後どうなったのだろう?とか、いろんなことを考えた。

考えさせられた一冊。単純な話なのに、深い。
(勝手に深読みしただけだが)
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自信を持っておすすめしたい 生き方を変える絵本  投稿日:2024/01/14
とべ バッタ
とべ バッタ 作・絵: 田島 征三
出版社: 偕成社
敵の多い原っぱで、怯えて小さくなって暮らしていたバッタが、一念発起して飛び立つ話。

1988年刊行。
イナゴ類が嫌いなので、手に取るのに躊躇した絵本。
リアルに描かれていなくて良かった。

この本は、昆虫の話というよりも、人生の話の気がした。
自然の世界、弱肉強食の世界を生きるバッタという厳しい現実に向き合う。仲間が次々と殺され、食べられていく。
そういう状況であっても、生き残りたい。
それは、戦争を体験した世代の感覚かもしれないし、人間の現実社会で競争しながら生き残っていくことを言っているのかもしれない。
個人的に大変な状況に陥っていて、四面楚歌であっても、のりこえなければならない、という時かもしれない。

そういった、困難な状況にある人が、勇気を出して、飛び出していく。そうすると、火事場のバカ力が出る。
この後、バッタがどうなったかは語られていないが、こうやって、多くの危機を乗り越えて、命がつながっていくのだろう。

気弱になった時に思い出して、読んでみたい絵本。
現実の厳しさと、勇気をもって行動することを教えてくれる。
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自信を持っておすすめしたい 人は楽しい体験をしたいのだなあ  投稿日:2024/01/14
四国地方・九州地方(47都道府県の郷土玩具)(4)
四国地方・九州地方(47都道府県の郷土玩具)(4) 編集: 斉藤 道子 砂野 加代子
監修: 日本玩具博物館 井上 重義

出版社: 大月書店
四国や九州地方に昔から伝わる手作り玩具の図鑑。
人形や車、こま、凧などの子どもの遊び道具の写真と遊びかた、由来、現在作っている人の事などを紹介している。
巻末には世界の郷土玩具も掲載。
巻頭と巻末には索引があり、知りたい玩具の名前がわかれば、掲載している本がわかる。

2022年刊行。
今やスマホや豪華なおもちゃが世の中に溢れている現代日本の子どもたち。おそらく人類史上、一番、モノには恵まれている時代に生活しているはず。
昔は、スマホどころか、ガス・水道・電気もなく、材料も今のような便利な素材がなく、情報も限られていたし、生活もかなり不自由だったはず。
それでも、人間は楽しい思いをしたいし、子どもたちは与えられた環境に適応して、その中でいろんな工夫をして楽しく遊んだことがわかる。

子どもの健やかな成長を祈って作られた「御守り」のような玩具もあるし、今の子どもも大好きな「車」や「人形」などもたくさんある。その時代の流行や、社会情勢を反映しているデザインが面白い。

特に印象に残ったのが、「車」の玩具。
世界中で、おもちゃの車というものがあり、その時代にカッコいいと思われいたものがデザインされていて楽しい。
車は大人になっても大好きな人はたくさんいるし、車の見た目や性能にこだわる人も多い。
子どもの玩具は派手で、遊び心が満載のデザインで、可愛らしいものも多くて楽しい。

どうやって遊んだかわからないが、「首人形」というものがあり、これは人形の首だけのもの。
下の体の部分や着物や小物などは、自分で作ったのだろうか?いろんな顔だけがあって、お面が並んでいるようでもあるが、生首が並んでいるようでもあり、ちょっと怖い。
戦争をしていた時代は、敵の首を取る、ということもあったことを連想すると、ホラーな玩具のようにも見えてくる。

手づくりの玩具は、いろんなことを伝えてくれる。
子どもや大人の願い、いろんな思いも伝わってくる気がする。
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自信を持っておすすめしたい ソメイヨシノだけではなかった  投稿日:2024/01/14
校庭の木・野山の木1 サクラの絵本
校庭の木・野山の木1 サクラの絵本 編: 勝木俊雄
絵: 森谷 明子

出版社: 農山漁村文化協会(農文協)
主に日本に生えているサクラを、品種、特徴、歴史、成長の様子、育て方、利用方法などを紹介した学習絵本。

2015年刊行。
サクラはソメイヨシノのクローンが、全国に植わっている、という都市伝説を何故か信じていたので、こんなにたくさんの種類があることを知り、驚いた。
(なぜ、そんな変な都市伝説を信じていたのか、自分の不思議さにも驚いた)

知らない品種がたくさんあり、良く見ると、形や色、大きさなどがかなり違う。その辺に植わっているし、見慣れているから、あまり知ろうとしなかったから、知らないことだらけだった。

印象に残ったのは、「薪として利用」するなどの、サクラの利用法。桜餅の葉っぱくらいしか知らなかったので、成長の早い品種は、昔は里山で管理して、木材の資源として活用したり、木の性質に応じた製品づくりや、燻製のチップとして使ったりと、かなりいろいろに使っているという。
お花見で酔っ払いの相手をしているだけでなくてよかった。

植物としては、開花時期や葉の散るタイミングなどが、かなりせっかちな性質らしい、という説明が面白い。
木にも、のんきなタイプと、短気なタイプがあるようだ。
身近な植物も、いろんな性格があって、楽しい。
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自信を持っておすすめしたい なかなかリンゴになるのが大変だ  投稿日:2024/01/14
しょくぶつ・すくすくずかん (3) リンゴ
しょくぶつ・すくすくずかん (3) リンゴ 作・写真: バーリィ・ワッツ
訳: 舟木秋子

出版社: 評論社
リンゴの木に、花が咲き、実が成るまでの様子を写真で紹介した学習絵本。

1992年刊行(原書:1986)
今では年中、りんごがお店に並んでいるけれども、本当はリンゴだって実が成る時期があることを思い出させてくれる。
秋〜冬にかけて、リンゴを農家から頂いたりして、たくさん食べた。皮をむいて、塩水につけておいてからお皿に盛っていた。

うちにはリンゴの木はなかったので、どうやってリンゴになるのか知らなかった。大きな木に、小さな花が咲き、ミツバチが花粉を運んで、受粉してから、花の根元にある実が大きく育つ様子を見ていると、リンゴの実は、本当に貴重なものだとわかる。
広いところにのびのびと育つリンゴの木の写真を見ていると、気持ちがさわやかになった。

熟れてから、風で落ちたリンゴは、動物が食べたり、腐ったりする。木から落ちて腐って、カビの生えたリンゴの写真もあって、リンゴは微生物も大好きなのだと思った。
土に戻って、またリンゴになるのだろう。

なかなか植物をじっくり観察する機会がないので、こういう本でゆっくりと、1つの植物の生活を観察すると、非常に心が豊かになった気分だ。
何だって生きているし、出来上がるまで手間暇かかるものだとわかると、人も植物もなんでも大切にしようという気になる。
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自信を持っておすすめしたい 日常の中に潜む闇を丹念に描いている  投稿日:2024/01/10
ミステリーセレクション(4) ミステリーはおいしい
ミステリーセレクション(4) ミステリーはおいしい 編: 赤木 かん子
出版社: ポプラ社
2007年刊行。短編ミステリー特集。料理や飲食店に関係する話が4篇。

・アラカルトの春 著:О・ヘンリー(1906)
・ママは賭ける 著:ジェイムス・ヤッフェ(1952)
・料理女を探せ 著:アガサ・クリスティ(1951)
・砂糖合戦 著:北村 薫(1989)

まるでコース料理のよう。
「アラカルトの春」は、料理屋のメニューをタイプライトで清書する女子の、純愛の話。極寒&極貧の大都会で、暦の上では春を迎えたが、まだまだ春は遠い。春の訪れを待ち望む必死な乙女心と、人が必死で耐え忍んでいる状況をあざ笑うかのような、洒脱な文章のコントラストが印象的。

どれも個性が強い話だが、「ママは賭ける」は、いくつになってもお母さんに勝てない息子と、いくつになっても息子を子ども扱いするお母さんの闘いと事件解決が混然一体となって、妙な味わい。

「料理女を探せ」は、名探偵ポアロもの。初期の作品だそうだ。彼はベルギー人だからか、独特の話し方が耳に残る。
トリックをいとも簡単に解いてしまうカッコいい話。

「砂糖合戦」は、80年代の日本の都会が舞台。先の3つが外国の、昔の話だったので、ようやく自分になじみがある世界に帰ってきた感じがする。
先の3つと違って、設定も犯罪内容もずいぶんセコイが、逆に言うと至って平和で、誰も死なないので安心して読める。
ただ、日常生活の中で、知らないうちに人に潜む闇の部分がどんどん大きくなって犯罪に繋がっていく怖さがある。生々しい。

どの話も曲者ぞろいで、読みごたえがある。
今と違う時代に遊ぶもよし、トリックを考えるのもよし、何も考えずにただただ話を愉しむのもよし。
贅沢な短編集である。
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自信を持っておすすめしたい 不思議の国のアリスのオヤジ版  投稿日:2024/01/04
ぽっぺん先生の日曜日
ぽっぺん先生の日曜日 作: 舟崎 克彦
出版社: 筑摩書房
日曜日に自宅の書斎の掃除をしようとした40代の大学教授が、本の中に迷い込んで大冒険するお話。

1973年刊行。
ありえない展開が次々に起こるところが、遊園地の乗り物を次から次へと乗り換えていく感じを思わせる。
ちょっと不思議の国のアリスの世界に似ている気がしたが、主人公が40代の冴えないおっさんで、いろいろと屁理屈をこねて思い悩んだり、泥臭いところがギャグマンガ風でもある。
このオヤジは、大学の教授で、生物学者だという。
いろんな生き物が登場するが、先生の独自の感性や哲学でもって、なかなか小難しいことや深刻なことも考えさせられる。

例えば、絶滅した動物について、人間が食べつくしたという部分などは、個人的に心に残った。「食べる」ということは、どの生き物もしていることだけに、いろいろ考えされられる。

一見、ギャグマンガのようなとんちんかんな話の中に、読者にちょっと考えさせられるテーマがさりげなく織り込まれているあたりが、筆者の野心を感じる。何を伝えたかったのだろうか?

難しい事を考えなくても、普通に楽しい読み物だけど、大人になってから読むと、大人の目線で余計なことも考えてしまうので、子ども時代の自分よりも数倍楽しめた(味わえた)と思う。
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